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2016年6月10日 (金)

Webマガジン『E!』6号

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5月19日の記事でWebマガジン『E!』をご紹介しました。今日はこの続き。
第6号に千田翔太五段×久保明教氏の「機械と人間、その第三の道をゆく」というタイトルの対談が掲載されています。だいぶ前に製本して何度も読んでいますが、語られる内容が難しく、いまだ咀嚼できていません。

千田氏と言えば、将棋ソフトと人間の実力差について明確に発言した棋士として注目されるようになりました。特に「将棋ソフトとの圧倒的な差を感じて以来、人間同士の研究や練習に疑問を感じるようになった。高次の存在を見ていると、従来の方法がぬるいものに変わってしまったように感じる」と自戦記に書かれてから、ぷりうすも彼を気にしています。

この対談では「プロ棋士としての将棋ソフトへの評価」と「ソフトを使った勉強」の二点を詳しく語っています。

気になった箇所は次のところ。それはソフトと人間の「玉の安全度」の考え方の違いです。従来の将棋観は、囲いの固さや守備駒同士の連結を守りの基準としていたのですが、ポナンザは玉を逃げる空間の広さを重視するという考えを守りの陣形としているという発言です。人間的にはこれは囲いとは言わずに居玉というのだろうけど。

ぷりうすの将棋は、飛車を振ったら美濃囲いの駒組みを優先するのですが、初級者問わずに将棋指しはたいてい美濃崩しに慣れており、終盤の寄せがもたついてしまったときには、あっという間に詰まされます。ですが、囲いの完成が間に合わずに開戦してしまう場合には、居玉に近い中途半端が功を奏して、玉を逃がすことが出来て勝つことも多いのですね。敵の攻めを空振りさせたわけです。もしかして、ぷりうすはポナンザ囲いのスペシャリストなのかもしれません、笑。

千田五段は、"ソフトの使えるところは使おう"というおいしいところ取りの考えではなく、「誰が相手でも勝てる最善手やそれに至る考え方のような、相手によって変化しないものを得られるように」ソフトから学ぶという発言をしています。その謙虚な姿勢が印象に残りました。

これから彼の将棋がどういう風に進化するのか、楽しみです。

 

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