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2016年11月 9日 (水)

将棋「名勝負」伝説/別冊宝島

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将棋界を支配する「人工知能」の猛威を徹底検証!という衝撃的なサブタイトルが付いた別冊宝島のムック本シリーズの『将棋「名勝負」伝説(宝島社)』を読みました。

スマホ問題で世間を騒がせる前に編集されたものなので、今回のことについては具体的に触れていませんが、カンニング防止について将棋連盟がどのように対応していたかという記事もありますので、関係者の間では以前から深刻な問題となっていたのでしょうか。

「息苦しい時代」の本音という渡辺竜王のインタビュー記事は読み応えありました。ソフトにかけると全ての戦法の結論は「先手良し」との見解だと竜王は答えています。理論上、後手番で指す戦法がない。だから、後手番を引いたら定跡からはずれた「ぐちゃぐちゃな戦法」を指して、相手のミスを誘い出す。つまり、一直線の変化ならソフトを使って深く研究した方が有利になるので、あえてそれをはずしていくということでした。

棋士の存在価値として、美しい棋譜を対局者とともに作り出すという使命があると思うのですが、勝負術に徹すれば、美しい棋譜は残せない。そこにトッププロとしての苦悩を感じました。

他にソフトの申し子と言われる千田翔太の「私の勉強法」というインタビュー記事もおもしろかったし、天野貴元の「オールイン」以降の壮絶な生き方を描いた、「最後の棋譜」という記事は涙なくしては読めませんでした。

激動の現代ですが、それぞれの立場の棋士がそれぞれの立ち位置から将棋の魅力を真剣に伝えてくれればファンはそれで構わないと思います。

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コメント

こんにちは。
渡辺竜王が後手が困るとはこちらで言っていたのですね。
竜王戦3局目は四間飛車穴熊の千日手狙い…しかし負けてしまいましたね。
プロ同志は先手必勝レベルまで行くのでしょうか。
色々難しいですね。
囲碁みたいに後手ハンデが必要になるかもですね。

現時点でのソフト解析でそのような結論とのことですが、ゲーム理論で解明されるまで正答は保留ですね。

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