棋士という人生/大崎善生・編
映画館で「聖の青春」を見ての帰りに書店で大崎善生の「棋士という人生(新潮文庫)」を買いました。これは過去に作家や棋士自らが書いた将棋に関するエッセイを大崎さんが選んでまとめたものです。
この本を読んで、興味をもった棋士が芹沢博文です。1987年に51歳で現役のまま死去していますが、エッセイストやタレント、歌手としても活躍していたA級八段の実力者でした。歯に衣着せぬ発言で人気を集めていたそうですが、恥ずかしながらお名前すら知りませんでした。自称”ろくでなし”の破滅型の性格だったようですが。。。
ご本人が書いた「忘れ得ぬひと、思い出のひと」で、ご自身の人生を振り返ったエッセイが収録されています。そのすぐ後に芹沢の師匠の高柳名誉九段の「愛弟子・芹沢博夫の死」と題した追悼文が掲載されており、ここで彼の人生の歩みを詳しく知ることができました。
もうひとつ、作家の色川武大の「男の花道」という追悼文も収録されており、ここでは芹沢の豪快というか横紙破りな武勇伝が描かれていました。
ネットで検索をすると、この本で書かれた以上の筆禍やトラブルがあったお方のようですが、いまの時代にはこういう棋士はもういませんね。このような「棋士という人生」の選択もあったんだということで、ちょっと彼のことを調べてみようと思います。
このエッセイ集は26の短編で構成されており、割と読みやすかったです。ただ、村上春樹のものは将棋のエッセイとは言えないと思いますが、あとがきでなぜに収録したかの理由が書いてありました。そういうことでしたか、笑。

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