寄稿 第41期久留米王位戦大会記①
先日(5/13)開催された久留米王位戦に出場したSクンのお父さんより大会記を寄稿して頂きました。5回に分けて掲載いたします。
寄稿:Sクンのお父さん
沖縄で梅雨入り宣言があった二日後、さらさらと落ちる小雨の中、彼は福岡県久留米市へ向かう飛行機の中にいた。まるで家族で外食に向かうがごとく、「向こうは美味しいスイーツあるかな?」と繰り返す。いろいろと心配する事がバカらしくなる程、いつもと変わらない笑顔。彼らしいなと安堵する私がいた。彼にとって大会は最高の楽しみであり、緊張や不安という要素は、眼下の東シナ海に捨て去っていたのかもしれない。
地元紙に「最年少代表」の文字が躍り、困惑する。運よく県予選を勝ち抜いたが、むろん棋力は沖縄県の学生強豪や社会人強豪の足元にも及ばない。私としては「ラッキーパンチがはいった」としか言いようがない。しかし代表になったからには精一杯戦ってほしい。またとないこの機会を自分の糧としてほしい。そう願うばかりで、浮き足立っているのは私の方であったかと思う。
彼が参加する大会は、第41期久留米王位戦。九州全県に山口県を加えた9県から厳しい予選を勝ち抜いた強豪が集い王位の座を争う。その大会に小学4年生の息子が参加する。この点だけでも評価したいが、彼は優勝したいと言う。聞いているこっちが怖くなるが、本人はその気のようだ。「最初から優勝目指さないのはおかしいでしょ?」と笑顔で言い放つ。ますます恐ろしくなってきた。大人の常識など彼には関係ないらしい。子供の特権である。
つづく
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