王将戦・那覇対局二日目。大盤解説会へ行きました
昨日(2/25)も琉球新報ホールへ。午前は自宅で1日目の棋譜を並べたり、中継ブログをチェックして過ごしました。「先手が厳しい」とか「早い終局になるかもしれない」というコメントを読んで、定刻の時間には会場へ着いておくほうがいいかなと予定より早めに出発しました。
午後2時から始まった大盤解説会には、すでにたくさんのお客さんが駆けつけていました。関係者に尋ねたところ、この日、およそ230名の将棋ファンが集まったそうです。
佐々木勇気七段と和田あき女流初段がステージに登場して、初手から解説を始めました。初心者にも分かるように、一手の意味をやさしく説明しながら、現局面まで進行していきました。
勇気先生の「久保王将は(藤井システム模様の)バランスで勝負。渡辺棋王は(ミレニアム囲いの)固さで勝負」という見立てを披露して、東和男八段にバトンタッチ。ここで封じ手の封筒と用紙の披露がありましたが、まさかこんな貴重な物が手渡しで会場内を回ることになるとは!
どうぞ、ご覧下さい(はさみを入れた耳みたいなところを、誤ってちぎってしまわないかと、はらはらしました)。
さらに大盤解説は、鈴木大介九段と中田功八段へと豪華リレーが続きました。 指し手が止まっている間は、退屈するかなと心配していましたが、そんなことはありませんでした。棋士の先生方の話術は、観客をすっかり魅了しました。
終盤に入って、久保王将の▲1三銀から逆転かと検討陣が色めき立ちました。控え室に戻ったはずの中田先生が、何度も解説会場を往復して、検討陣の読み筋をお客さんへ説明してくれました。しかし、それでも渡辺棋王は相手の猛攻を振り払い、勝ちを見切っていたようです。96手まで後手の勝ち。渡辺棋王の4-0での王将位奪回のシーンを目の当たりにしました。
今年の渡辺棋王は強すぎます。順位戦では11連勝でA級復帰が決まっているほか、現在レーティング・ランキング第一位。久保王将もA級残留を決めたりと、決して不調というわけではありませんが、渡辺棋王の勢いを止めることができませんでした。
終局後に勇気先生が「ほぼ完璧でノーミス。渡辺棋王の緻密な組み立てに、久保王将は振り飛車独特の戦いが出来なかった。一方的な負けではないが、互角な終盤戦になったときに、一歩抜き出す紙一重の差だったと思う」と講評されました。タイトル失冠となってしまった久保王将を気遣い、両対局者のステージへの登場はありませんでしたが、勇気先生による久保王将への思いやりの言葉は、印象に残りました。
昨日、今日と素晴らしい対局を見せてくれた両先生をはじめ、本イベントのために沖縄にいらして頂いた棋士の皆様へ感謝申し上げます。王将戦・那覇対局の開催にあたりご尽力いただいた関係者の皆様にもお礼申し上げます。夢のような3日間でした。
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コメント
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渡辺棋王本当に凄かったですね。私も息子のJとSと3人で3日間参加して佐々木先生から息子達は指導対局を受け(琉球新報さんにも掲載されてました)それだけでも私は大満足でしたが、大盤解説会での次の一手クイズで私が久保先生のサインをゲットするというまさかの展開に…。子供達にもわかりやすい解説をしていただきプロ棋士はとても凄いなと思いました。このタイトル戦が沖縄の将棋界に大きな変化と進歩を与えてくれると期待したいですね。
投稿: J・Sの父 | 2019年2月26日 (火) 21時05分
お疲れ様でした。色紙ゲットですか!うらやましい。
これを機に沖縄の将棋がもっと盛り上がってくれるものと期待しています。
投稿: ぷりうす | 2019年2月27日 (水) 06時28分