書籍・雑誌

2021年8月25日 (水)

懐かしい本

先週のVSの記事をアップしなければいけないが、まだ書けない。ということで、昔、mixiに投稿した日記を今日も転載して急場をしのぐのだ。


◎BEST RESTAURANT GUIDE OKINAWA

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去年(2015年)の10月下旬に那覇の居酒屋で高田尚平先生と会食をしていたら、「楽しそうなお二人を写していいか?」と声を掛けられた。差し出された名刺には出版社の名前があり、今度出すガイドブックの取材をしているとのことだった。

「お店の雰囲気を伝えるだけなので、あまりかしこまらなくて」と言った割には、いろんな角度から何枚も撮られた。年明けに出版されるのでお買い求めよろしくと、その名刺の裏にタイトルを書いてくれたが、すっかり忘れていた。引き出しの奥からそれを見つけて、あわてて本屋へ出掛けたのだった。

目当ての本は、「旅行」コーナーに平積みされていたので、すぐ見つかった。観光旅行のお供のムック本だとばかりに思っていたが、違った。喫茶店や美容室に置くのが似合うおしゃれな造りだ。センスのある写真を多く使い、帯には「2度目の沖縄旅行で行きたいレストランガイド」とある。さて、我々の写真はどこかとページをめくる。おお、新小屋(あらごや)さんを紹介したところに、ちゃんと掲載されていた(扱いが小さいけど)。立ち読みで済ますつもりでいたが、記念に買っておく。

以上の日記は2016年2月20日にmixiにアップしたものです。その画像がこちら。右側奥の二人組です。

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旅する棋士の高田先生ともう何年も会っていません。コロナが流行る前は、毎年のようにいらして、沖縄の子供達に将棋の魅力を伝えてくれました。日常生活が今ではすっかり変わり、お会いできるのはまだしばらく先になりそうです。ご紹介した本はアマゾンで買えるようですね。

2020年7月12日 (日)

受け師の道 百折不撓の棋士・木村一基/樋口薫

藤井聡太のタイトル初挑戦。世間の注目を集めているのは、藤井クンが渡辺明棋聖からタイトルを奪い、史上最年少記録を更新するかどうか。さらに木村王位を相手に王位戦七番勝負。2つ目のタイトルも視野に入れて、藤井クンの暑い夏が始まりました。
両タイトルに挑戦中の藤井七段を取り上げるTV番組やニュースが増え、将棋ファンにはうれしい限りです。

「受け師の道 百折不撓の棋士・木村一基/樋口薫(東京新聞)」を読了。昨年、史上最年長の46歳で初タイトルを獲得した木村一基王位のこれまでの歩みを、関係者の聞き取りや本人へのインタビューで構成したものです。木村王位については、将棋世界の記事で知っている程度で、解説者として話芸の達者なおじさんという印象が強かったのですが、この本を読んで、木村先生に対するイメージが変わりました。

順風満帆な棋士人生を歩んでトップ棋士になったとばかり思っていたのですが、三段リーグに6年半在籍したことや何度もタイトルに挑戦しながら敗北を喫し、それでもくじけずに座右の銘「百折不撓(何度失敗してもくじけないこと)」の精神でとうとう夢を実現したこと。その木村先生の半生を詳しく知ることができました。

2ヶ月前ほどの日経新聞に、作家の大崎さんのエッセイが掲載されました。初の女性棋士を目指す西山朋桂三段に触れており、彼女が奨励会で苦労していることで、とあるトップ棋士を紹介したとありました。それが誰だったのか気になっていましたが、この本で木村先生と知ったのも収穫でした。

読み終える頃にはすっかり木村ファンになっていました。木村王位のタイトル防衛を願って、月曜日(7/13)の第2局をしっかり応援しようと思います。

 

 

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2020年4月28日 (火)

寄稿:級位者向け棋譜並べ・後編

棋譜の再現が早くなったら、少しでも数をこなそうとして、棋譜を並べて解説を読むことに没頭して前のめりになってしまいがちです。ちゃんと盤面全体を見て並べなくなってしまうことがあると思います。

確かに、早く強くなりたいという思いの強い方はそう焦ってしまう気持ちになるのは分かります。しかし、これはもったいないやり方なのです。

先にも書いたように、途中の局面で立ち止まり、盤面全体を見て形勢判断をして、その先の方針を考えてみるトレーニングが大事なのです。そして、しっかり解説を読んで、プロの先生方がなにを考えているのかを学びます。

そういうトレーニングを続けると、大局観を養うことができますし、将棋の筋がよくなると思います。1ヶ月続けると、以前より手がよく見えるようになったと実感するでしょう。

2回にわたって、私の考える棋譜並べ上達法をお伝えしました。この記事を書こうと思ったきっかけは、級位者の子に棋譜並べをするといいよとアドバイスをしたときに、「棋譜並べを勧められることは多いけど、具体的にどうしたらいいか分からないし、難しい」と言われたことでした。

級位者の方には、最初から全てを理解しようとせずに、ゆっくり少しずつ棋譜並べに慣れていってほしいです。棋譜並べは、序盤中盤終盤を鍛えることができ、棋力にあった正しい方法で行うと大きな効果を生むと思います。

本稿が級位者の皆様の将棋上達の助けとなれば幸いです。

 

ぷりうす:そういえば、このところ棋譜並べをさぼりがちでした(というよりも将棋をしてない!)。辛抱が大事なこの時期にこそ、棋譜並べのような地道なトレーニングをしっかりとやらねばいけませんね。応援さん どうもありがとうございました。

 

 

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2020年4月26日 (日)

寄稿:級位者向け棋譜並べ・前編

前回に引き続き、寄稿を頂きました。あちゃ~。ぷりうすまったく更新していないんですね、反省。

 

応援さん:

将棋上達法は昔から多くの先人たちによって論じられてきました。
本稿では、上達法の中でもあまり論じられることの少ない(ように感じられる)棋譜並べについて、私なりの考えを綴ります。

有段者である私は、棋譜を並べるとき、その将棋の指された時代における戦法の流行について意識をしつつ、構想の立て方や手筋、終盤の速度計算に注意を払っています。その棋譜に解説があれば、当然、全て目を通し変化手順を追います。

しかし、級位者と有段者では実力差があるため、勉強法は異なります。級位者が上に書いたようなことを行うと、キャパオーバーしてしまいます。自分の実力にあった棋譜並べの「戦略」を立てて、スムーズに、かつストレスをためずに行うほうが良いと思います。

そもそも定跡本をあまり読んでいなかったり、棋譜並べに慣れていないと、いきなり「▲7六歩」「△3四歩」と棋譜が始まっても、「7六ってどこ...」と戸惑い、将棋盤の右端から1、2、3、、、と数えてしまうかもしれませんね。そういう方は、棋譜の解説を読み、理解する余裕はありません。棋譜並べが嫌になって止めてしまうでしょう。

まずは、棋譜を最初から最後まで盤上に再現することだけを目標にしましょう。とりあえず、スラスラ棋譜を並べられるようになるまで、そうやって練習するのが良いでしょう。
そして、慣れてきたら、どこか途中の局面で立ち止まって、形勢判断をしたり、自分だったらどういう方針をたてるか考えてみましょう。さらに余裕が出てきたら、そこで初めて解説を読みましょう。

 

つづく

 

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2020年4月11日 (土)

寄稿:行き詰まったら、羽生先生の「上達するヒント」を読もう

「ぷりうすさん、最近書かれませんね」というご心配のメールとともに書評を頂戴しました。私は元気です。どなたか存じ上げませんが、寄稿して頂き、ありがとうございます。

 

応援さん:

新型コロナの影響で、自宅でネット将棋をすることが増えた方も多いのではないでしょうか。私もそのひとり。思うように勝てないと、悔しくなってもう一局、もう一局と指しているうちに、レートがかなり下がってしまいました。

この悪循環から抜け出すために、何か棋書を読もうと本棚へ。級位者の頃に読んで以来の、羽生先生の「上達するヒント(浅川書房)」がそこにありました。懐かしいなと手に取ってパラパラめくっていると、レベルの高さに驚きました。そこには、有段者の人が当たり前のように考えていることが、きちんと言語化されていたのです。

全13章ぞれぞれにテーマがあり、アマチュアの実戦を例にとって、羽生先生がそれらの棋譜を解説します。一局の流れがあり、それとともに解説があるので、かなり読みやすいです。読み進めていると、私が級位者の頃にきちんとこの本を理解できていたかどうか怪しく感じました。あの頃は、実践例の棋譜を追いかけることに終始していた気がします。

この本で一番大事なところは、実践例の棋譜を追うことではなく、羽生先生の言葉にあります。以下に一例をあげます。

「一口に構想を立てるといっても、状況に応じて、理にかなった構想を立てることが大切です。この対局では、二人とも何かしらの構想を持って指しているように見えますが、その方向性を間違えると状況はよくならないのです」(P38)

このような、将棋を指す上で大事な指針がたくさんあります。何となく指すのではなく、きちんとした方針、大局観に沿って指し手を決めてから指せると、上達するのだと改めて思いました。

私は、この本を再読することで、スランプを脱出できそうなので、またネット将棋を頑張ります。悩める方は、この本を読んでみてくださいね。

 

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2020年3月26日 (木)

2020年 NHK将棋講座4月号

半年ぶりにNHK将棋講座テキストを購入しました。「B級グルメ戦法」の講座が4月から始まります。講師は阿久津主税(ちから)八段。テキスト4月号では、鬼ごろしや、新鬼ごろし、角頭歩、パックマンなどを取り上げており、これから半年間、どんな戦法がいくつ紹介されるのか、楽しみです。願わくば、ぷりうすオリジナル(?)の飛び出し角戦法もどこかで取り上げてほしいですね、笑。

道場に通い始めた頃には、パックマンを得意とする子供達が何人かいました。こちらの初手▲7六歩に△4四歩と指して、この歩を取ってみなさいよとニヤッと挑発されました。こんな戦法に負けられるかと、相手の土俵に乗るわけですが、結局、巧妙な手筋に翻弄されてしまい...泣。
「無視して、取らなきゃいいのに」とギャラリーからあきれられましたが、取って勝ちたかった。そんな対局からしばらくの間、ネットでパックマンの対策法を必死に探して、研究したのも懐かしい。

ぷりうすは楽しく勝とうをモットーにしているので、この講座をしっかりと頑張り、将棋の幅を広げたいと思います。

 

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2020年2月19日 (水)

将棋童子/藤沢桓夫

以前、藤沢桓夫(ふじさわ・たけお)の「小説 棋士銘々伝」をご紹介しました。そこに収められていたのは、阪田三吉・木見金治郎・神田辰之助・大野源一・升田幸三・大山康晴という大正から昭和の時代に活躍した棋士たちを主人公とした7編の物語でした。
棋士群像を描くという作家の仕事は、引き続き「将棋童子(講談社)」にまとめられていました。

取り上げられた棋士は5名。大野源一・山中和正・北村秀治郎・桐山清澄・内藤国男です。作家が大阪で暮らしていたということもあり、関西の棋士が他にも多数、脇役として登場します。本作でも大阪の人情や風物が生き生きと描かれており、楽しく読めました。

作品の中から「強い星の子」をご紹介。先頃、順位戦のC級2組からの陥落が決まり、今期をもって順位戦は最後となった、現役最年長棋士の桐山清澄(きりやまきよずみ)九段を主人公とした物語です。小学三年生の桐山少年は、升田九段の出会いが縁となり、将棋の道に進む。そして今とはまったく異なる奨励会時代を過ごします。本作で棋士の卵としての生活ぶりを知ることができました。プロ棋士になっていく桐山少年の成長ぶりを見事に描いています。このような経歴を知ると、改めて桐山先生の応援にも熱が入ります。通算1000勝まであと6勝。達成するよう頑張って欲しいです。

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2020年1月30日 (木)

駒音高く/佐川光晴

駒音高く/佐川光晴(実業之日本社)を読了しました。様々な立場で将棋に関わる人々を取り上げた短編七話を収録。どの作品も読み終えたとき、しばらくその余韻に浸りたくなり、爽やかな気分にさせられます。
 それぞれの作品の主人公は、将棋会館のお掃除のおばさんや将棋教室に通う小学生、研修会を辞めることになった中学生、淡い恋をする奨励会の青年や引退間際の棋士などなど。それぞれの立場は異なるのですが、将棋にかける熱い気持ちは皆、同じです。将棋ファンにおすすめの一冊ですので、ぜひどうぞ。

PS/高杉千明さんによる装画も素敵ですね。

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2019年11月 1日 (金)

世界にひとつだけの宝物

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当ブログにて、「指に染み込ませたい極上手筋/畠山 鎮」を以前ご紹介しましたが、覚えていますか。
2016年7月~12月までの半年にわたり、NHK将棋講座の別冊付録で連載されましたが、これまでの付録とは、一線を画する内容でした。技術のレベルが高いだけではなく、「自分の手」を自信を持って指していくことの大切さを教える指南書ともいえるシリーズでした。「次の一手問題」形式で進みますが、関西奨励会での厳しい指導の逸話がいくつもある先生だけあって、文中にも同じような言葉が並びます。

何度も読む価値があると思い、この六冊を製本しました。「いつか畠山先生にお会いして(この合本に)揮毫と落款を頂いたら、世界にひとつだけの宝物になります」と、2年前に書きましたが、とうとう願いが叶いました。

 

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先日(10/26)の宜野湾将棋道場支部の研究会に、講師として畠山鎮八段が招かれました。揮毫をお願いしますと合本を差し出すと、先生は驚かれました。「自分のは一冊がどこかにいっちゃっているんだよなあ」とのことでした。

いまでもNHKにはこれの在庫問い合わせがあるそうです。付録が単行本化されたことはこれまでありませんが、出版するだけの価値はあると思います。関係者の皆様、「指に染み込ませたい極上手筋」の増補改訂版をぜひご検討下さい。

 

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「自信を持って指してたね」とKantaクン

 

 

2019年10月 3日 (木)

小説 棋士銘々伝/藤沢桓夫

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先日、某オークションにとても興味深い物を見つけました。それは<作家・藤澤桓夫が懇意にしていた升田幸三氏から贈呈された駒と直筆の掛け軸>でした。とても手の出せる値段でなかったので、入札を迷うこともありませんでしたが、眼福にあずかることはできました。

藤沢桓夫(ふじさわ・たけお)という作家は恥ずかしながらこれまで知りませんでした。明治37年生まれで、昭和の大阪を舞台にした大衆小説家として有名な方だったそうです。また大の将棋ファンとして知られ、内藤國雄九段のエッセイ「気になっていたこと 名人の背中」では、「当時、関西の全棋士が先生と呼んでいた」と紹介されており、「当時マスコミに取り上げられることの少なかった将棋界の広報的な役割を果たされるなど、真にありがたい愛棋家であった」と藤沢氏への感謝が綴られています。

200冊以上の著作の中から手始めに「小説 棋士銘々伝/藤沢桓夫(講談社)」を古書店で購入し、さっそく読了しました。阪田三吉・木見金治郎・神田辰之助・大野源一・升田幸三・大山康晴という実在の棋士たちを主人公とした7編の小説が収められています。明治から大正、昭和の時代に登場した棋士の名前は知っていましたが、大阪将棋界の流れとその師弟関係は初めて知りました。

木見門下から登場した、大野源一を筆頭に升田幸三・大山康晴と続く、才能豊かな兄弟弟子とその人間像を描いた作品はどれも読み応えがありました。
特に升田・大山の両巨頭は、後年のイメージがあまりにも強すぎますが、彼らにも幼い頃があり、続く内弟子時代がありました。小説では彼らの青春時代の人となりがいきいきと描かれていました。今の時代からは想像もできない、人の世の移り変わりを知ることも出来ました。機会があればどうぞお読み下さい。


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「将棋の博物誌/越智 信義(三一書房)」に昭和10年に撮影された木見一門の写真が掲載されていましたので、ご参考までに。

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