書籍・雑誌

2018年5月 5日 (土)

戦慄の▲7七金! 奇襲・きんとうん戦法/島本亮

悟空をよびよせ、なにやらむにゃむにゃ秘法を授けて「きんと雲は宙返り一回で十万八千里を飛べるぞ 」(西遊記/呉承恩)

待望の「戦慄の▲7七金! 奇襲・きんとうん戦法/島本亮(マイナビ)」を購入しました。かまいたち戦法やトマホーク戦法、かっこいいネーミングの戦法には心惹かれるものがあります。すべて指しこなせるようになりたいものです、笑。

2006年に刊行された「神戸発 珍戦法で行こう/島本亮(マイコミ)」できんとうん戦法を初めて知りました。この本では4ページの解説でしたが、これがまるまる一冊になって再登場です。

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上図がきんとうん戦法の基本形。西遊記の觔斗(きんと)とは「宙返り」の意でありますが、歩と7七の金を雲に、縦横に暴れる飛車を孫悟空に見立てれば、命名の由来がうかがえます。

実は島本先生にとって苦い思い出がありました。2012年3月号の将棋世界の「イメージと読みの将棋観」にこの戦法が紹介されました。「島本流▲7七金戦法は成立するか?」のテーマで並み居るトップ・プロの先生方に「リスクが高い」「指す気がしない」「捌ける気がしない」と、まあいろいろ酷評されたわけです。

しかし、プロが採用しないからダメだというとらえ方は違うように思います。一発芸として終わらせず、10年以上に渡り独創的な感覚で可能性を追求していたのです。持ち時間の短いアマチュアの将棋においては、知っているか知らないかでだいぶ景色が変わります。あまりまだ指されていないこの戦法は狙い目かもしれません。

あとがきに「私自身も自分を磨いて、この戦法を成長させることができればと思っています」とあります。島本先生を三蔵法師に見立てて、遙か彼方の天竺まで無事に辿り着けるかと想像すれば、これは痛快な物語になるはずです。

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今日(5/5)は島本先生の誕生日です。おめでとうございます! これからも応援しますので、頑張って下さい。

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マイナビにサイン本を予約したところ、手書きメッセージ入りの絵はがきまで同封されていました。そういう優しいお人柄の先生なのです。

2018年4月 8日 (日)

AIに心は宿るのか/松原仁

はこだて未来大学の教授で人工知能がご専門の松原仁先生の「AIに心は宿るのか(インターナショナル新書)」を読了しました。

本書で一番おもしろかったのは第三章の著者と羽生善治との対談です。「とどまることのない好奇心によって多くを知り、磨いた知性を盤上で発揮することで、羽生さんは、羽生善治たり得ているのだろうと私はいつも感銘を受けています」と評していますが、まさにその通りだと思います。

その両者の対談では学ぶべき事が多く、読み応えがありました。本書は、全体的に平易な言葉を用いて解説していますので、とても読みやすかった。おすすめの一冊です。

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2018年3月 8日 (木)

第2期豊田杯王位戦三番勝負記録集完成しました!

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宜野湾将棋道場では年間を通してリーグ戦を開催しています。一昨年からスタートしたリーグ戦ですが、第1期のトップリーグのAクラスには県内の強豪を招へいして行われ、初代王者に県アマトップのNさんが就位しました。
第1期A級順位戦に参加した選手全員の自戦記を収録した「将棋沖縄リーグ集」を昨年4月に製作しましたが、おかげさまで大好評でした。

第2期A級リーグ戦の優勝者のSさんがN王位へ挑む豊田杯王位戦三番勝負が昨年の10月末と12月初旬に道場で開催されました。県内初のアマチュアによるタイトル戦です。その白熱した模様を伝えるべく、今回も有志が集まり記録集を製作する運びとなりました。

再び編集長を仰せつかったのですが、前回の経験もあって割とスムーズに進行出来ました。こどもスクールの指導のために来沖していた島本亮五段がたまたま第1戦の会場にいらしており、ずうずうしくも観戦記をお願いしました。アマの将棋はプロの目にはどう映ったのでしょうか。本書でご確認下さいね。

第2戦は難解な将棋でしたが、挑戦者のSさんの自戦記と大盤進行を務めた純粋振り飛車党のOさんの観戦記を併録しております。Sさんの居飛車目線で読むも良し、Oさんの振り飛車目線で読むも良しというふうに構成されています。

編集に携わった者として、次世代を担う若手にぜひ読んで欲しいと思います。沖縄のトップに君臨する30代の強豪達を倒し、県将棋界に新たな風を吹き込んで下さい!

宜野湾道場では日曜日から発売します。今月行われる久留米王位戦沖縄県予選の会場でも予定しておりますので、ご購入していただければ幸いです。どうぞよろしくお願い致します。

2018年3月 3日 (土)

王将厳流島/村岡秀一&北山茂樹

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今週はきつかった。最初はくしゃみと鼻水程度の軽い風邪のようでしたが、治りかけに油断したせいでぶり返してしまい、今度は悪寒と高熱に3日間苦しみました。2度の検査でもインフルエンザではないということでしたが、いや~辛かった。季節の変わり目、皆様も体調にはくれぐれも気をつけてください。

前回は「賭け将棋一番勝負」をご紹介しましたが、なんとこの漫画には続編があったのです。「王将厳流島/村岡秀一&北山茂樹(桃園書房)」がそれでした。前作はコミック社から刊行されており、本作は出版社が異なりますが、前作の翌年に発行されていました。ストーリーも、真剣師の早坂史郎の放浪の旅が引き継がれていました。

過去に結婚の約束までしながら訳あって果たせなかった、元恋人が3人も登場してきます。いったい何人と付き合っていたのでしょうか。うらやましいほどのもて男なのです。
日本中の真剣師達を配下に収めて、闇の棋界を制覇する野望を抱く謎の金持ちが登場したりと、今後どのように展開していくかと益々期待したのですが、最終話の内容から判断すると本作品で完結したようです。

男も惚れる早坂のかっこ良いところをご紹介して、本日はお終にします。いつか決勝戦では、こういう風に勝ってみようと思っています、笑。

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2018年2月25日 (日)

賭け将棋一番勝負/村岡秀一&北山茂樹

近所の古本屋さんで「賭け将棋一番勝負(コミック社)」を見つけました。1977年に発行された昭和の漫画です。ぷりうすまだ中学生の頃である。

日本中を旅しながら、孤独に生きるさすらいの賭け将棋指し早坂が主人公です。どこか風貌はデューク東郷に似ているが、性格はそこまでクールでない。こちらは、旅の途中で知り合う困った人を助ける人情家であるのだ。

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ところで、いつから勝負の決着が着くときに、無言になってしまったのだろうか。この漫画では、以下のようなセリフが連発されるのである。

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ざっと拾ってみたが、勝敗に迫力が感じられるし、それがどんな詰まし方なのか知りたくなってきませんか、笑。

そういえば、ちょっとニュアンスが異なりますが、だいぶ前の将棋大会で小学生とおじいさんの対局でこんなハプニングがありました。おじいさんが王手されていることに気付かずに別の手を指してしまい負けたのだが、「なぜ王手!と言わなかった(教えなかった)のか」と小学生を困らせてしまった。すぐそばに審判さんがいたので、きちんと説明をして事なきを得たが、私が小学生のときには「王手!」と相手に知らせていたはずだ。これっていったいいつからそうなったのだろうかと気になり、調べてみた。

王手の発声[編集](ウィキぺディアより)

指導対局や縁台将棋、初心者同士の対局などでは、王手をかけた側が慣習的に口頭でも「王手」と言う場合がある。ただしあくまで慣習であり、「王手」と発声しなければならないという規定はない。

ということでした。それでも、3手一組、こちらの技が見事に決まれば「王手、飛車取り!」とか「8四銀、詰み!」とか言って駒をびしっと盤に打ちつけたいよね、笑。

本日(2/25)は沖縄市でレーティング選手権大会が開催されていますが、風邪が治らず、休みました。大会の様子が伝えられずに申し訳ございません。

2018年2月21日 (水)

人工知能の「最適解」と人間の選択

羽生善治共著の「人工知能の核心」に続きNHKスペシャル取材班が手がけた第二弾の『人工知能の「最適解」と人間の選択』(NHK出版)を読了しました。

本書のタイトルの「最適解」という言葉は、複数ある答えのうち、最も目的に見合ったものという意味で使用されており、人工知能は正しい目的とデータを与えれば、「最適解」を提示するということです。

本書では、人工知能はすでにゲームのレベルを超えて実用化されており、現実の世界でどのように使われて、どのような問題が生じているかを現地レポートやさまざまな関係者のインタビューを基に紹介されています。ぷりうすのブログですので、将棋に絞ってレビューします。

将棋に関しては、今回は天彦名人とポナンザが対戦した電王戦2番勝負を取り上げていました。また羽生さんがそれをどう見たかを紹介しつつ、人工知能の現状と未来を解説した内容になっています。

天彦名人は「対局中、自分の眠っていた能力が目覚めるのを感じ、とても楽しかった。将棋にはまだ自分の知らない宇宙が広がっていることを知った」と発言をしており、人間と人工知能が競争するという単純な図式ではなく、人工知能を使うことで人間はさらに可能性を広げられるのではないかと前向きに感想を語っています。

ソフトの手が神の手だと比喩的によく使われるようになり、将棋の世界でも棋士達が人工知能を教師のような存在として認めているようになっていますが、これは神がつくったものではありません。ソフトの出す答えは、あくまで「最適解」であり、「正解」ではありません。今後は人間の手を離れてソフトはどこまでも進化していくのでしょうから、人間がそれについていくことが出来るのか、かえって振り回されるだけにならないかと興味は尽きません。

棋士達にソフトがどのようなインパクトを与え、将棋界がどう変わっていくのかを含めて今後も目が離せません。

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2018年1月24日 (水)

銀が泣いている

阪田三吉を偲んで建てられた王将碑の横に「銀が泣いている」という名セリフで知られる盤面のオブジェがあります。
これは、大正2年(1913年)に東京で行われた、関根金治郎八段との香落ち戦の投了図を再現しています。盤面には”164手(4五歩)投了”と書かれており、天下が注目した一戦は三吉の勝ちとなりました。有名なセリフでおなじみのこの勝負は、てっきり三吉が負けたものだとばかり思っていたのですが、どうやら違っていました。

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「棋神 阪田三吉」の第二章「銀が泣いている」は、この世紀の一戦を観戦記風に構成されたものです。対局前夜から終局までを、本局に立ち会ったかのような臨場感あふれる様子で描かれています。三吉が指した7五銀を迎え撃たんとして、5四に上がった関根の銀を見て、愕然としたところを後年、次のように語っています。

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「わてはほんまに阿呆や。わてはほんに今まで悪うございました。常づね自分に言い聞かせていながら、強情過ぎました。あんまり勝負に拘り過ぎあせり過ぎました。これからは決して強情はいたしません。無理はいたしません、と阪田が銀になって泣いているんだす...。」

このときの棋譜を激指14の七段先生で解析させたのですが、初手からこの局面を過ぎてしばらくの間は、まだ微妙に下手+であり、形勢判断はほぼ互角の状態を示します。
棋譜解析の折れ線グラフを見ても、三吉翁が形勢を損ねて苦しんでいるという心境がいまいち伝わりません。(*関根八段の香落ち戦です、念のため)
100年前に行われた将棋を現代のソフトで判定することが野暮なのかもしれませんが、この勝負は一度も関根八段が優勢になることもなく終局を迎えており、次のように締めくくられます。

「殺されようとした銀が、かえって敵陣で存分の働きをすることができ、形勢一転してとうとうこの晴れの勝負に勝てた」

「銀が泣いている」というよりも「銀を泣かせて勝つ」のほうが、この対局を正しく伝えるように思いますが、いかがでしょうか。いずれにしても阪田三吉への興味は益々尽きません。

2017年12月27日 (水)

棋神 阪田三吉 / 中村浩

阪田三吉について知っていることは、明治から昭和の初めに大活躍した将棋棋士だったということ。他には阪田流向かい飛車という戦法も知っているが、これはまだまだ上手く指せない。

この夏、大阪の新世界に行きました。通天閣の脚下にある三吉翁を称える王将碑も見学しました。阪田三吉についてもっと知りたいと思い、やっと中村浩の「棋神 阪田三吉(講談社)」を読了。1980年に出版された古い本ですが、これはおもしろかった。

著者の父上の中村眉山と三吉は大正五年頃に出会い、この後、中村家と三吉は二十年に渡る交流がありました。幼少の頃から三吉の身近にいた著者が、三吉のために、少しでも真実を伝え虚像を排除するのが、実像を知っている者のつとめとして描いた評伝です。

将棋の歌のレコードやCDを集めていますが、三吉を唄ったものは多い。歌詞のほとんどで奥さんの名前は「小春」になっていますが、実際の名前は「コユウ」です。
これは三吉の死後に彼の生涯を戯曲化した『王将』の大ヒットがあり、その創作の中で「小春」となっているのが、そのまま伝わったということのようです。

本書では、三吉の語りは「」で書かれており、実際に彼と接した者だけにしか分からないニュアンスは味わい深い。その語り口に三吉翁の人柄が偲ばれます。また、三吉を語る上ではずせない「銀がないている」の逸話は、改めて当ブログで紹介したいと思いますので、これはまた次回にでも。おすすめの一冊です。

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2017年11月18日 (土)

或るアホウの一生 3/トウテムポール

待ちに待った第3巻が刊行されました!前巻が出たのは昨年の10月でしたので、ほぼ1年ぶりです。年に1巻というペースですが、今回は買うまではらはらさせられました。

昨年、掲載誌の雑誌ヒバナが休刊となり、連載も打ち切られてしまわないかと心配していました。その後、マンガワンというWeb上で継続されることが発表され、安心したのですが、しかし、電子書籍が当たり前の時代ゆえ、今度は紙の本としてちゃんとコミック化されるのかと余計な心配をする始末。

とにかく良かった、第3巻(小学館)が先ほど届きました。いま、いちばん楽しみにしている将棋マンガなので、最終話までずっと続くことを願っております。

第3巻では、主人公の瞬くんが晴れて高校生プロ棋士になった後のお話なのですが、いきなり活躍すると思いきや、初めて経験する仕事と学業にあたふたしながら迷走しています。また、生涯のライバルになる子の過去も明かされました。1.2巻で仕込んだ種がやっと芽が出てきて、これからどんな風に展開していくのかと期待が高まります。

現実の世界では、史上最年少の中学生プロ棋士が誕生して、デビューから29連勝という大記録を立てたりと、スーパー聡太クンがマンガのストーリー以上の大活躍を見せてくれました。今年は、現実がマンガの世界を越えたなと思わせる一年でしたね、笑。

このマンガの主人公の瞬くんは、なんだか実際にいそうな新四段のようで、にくめなく微笑ましくありますが、これから成長していく姿を見守っていきたい。とにかく期待を裏切らないお勧めの将棋マンガですので、ご一読下さい。

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2017年10月25日 (水)

カズトシ流・攻撃的振り飛車をマスターしたい

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久しぶりにNHK将棋講座テキストを購入しました。10月から佐藤和俊六段を講師に迎えて、「カズトシ流・攻撃的振り飛車」の講義が始まりました。角交換振り飛車や石田流を得意(?)とする、攻撃的な将棋を愛するおれのための講座のスタートです。

今月号の特集は、「後手番での三間飛車藤井システム」です。美濃囲いや高美濃囲い、銀冠というおれの守備陣に、新たに藤井システムが仲間に加わるのです。これは燃えるな~。

3月までの半年間、講座を続けるという決意の証として、書店で定期購読の手続きをしました。だが、しかし、読み進めて分かったのだけど、結構レベル高くて意外とこれ難しいぞ。以前の特集でしたが、あまりにも難易度が高すぎて2ヶ月で挫折した「広瀬流振り穴マニュアル(2014年)」を思い出してしまった。

息子に10月号を見せると、お父さんには難しいかもしれないと言われた。受験終わったら自分がまとめて読むから、買い続けておいてと頼まれた。それもありかもしれないのでちょっと心がラクになった、笑。いやいや、まだ3週目だ。投げ出すには早すぎる。
録画した番組を繰り返し見れば、きっと理解できるはずだ、頑張ろう。

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