書籍・雑誌

2020年7月12日 (日)

受け師の道 百折不撓の棋士・木村一基/樋口薫

藤井聡太のタイトル初挑戦。世間の注目を集めているのは、藤井クンが渡辺明棋聖からタイトルを奪い、史上最年少記録を更新するかどうか。さらに木村王位を相手に王位戦七番勝負。2つ目のタイトルも視野に入れて、藤井クンの暑い夏が始まりました。
両タイトルに挑戦中の藤井七段を取り上げるTV番組やニュースが増え、将棋ファンにはうれしい限りです。

「受け師の道 百折不撓の棋士・木村一基/樋口薫(東京新聞)」を読了。昨年、史上最年長の46歳で初タイトルを獲得した木村一基王位のこれまでの歩みを、関係者の聞き取りや本人へのインタビューで構成したものです。木村王位については、将棋世界の記事で知っている程度で、解説者として話芸の達者なおじさんという印象が強かったのですが、この本を読んで、木村先生に対するイメージが変わりました。

順風満帆な棋士人生を歩んでトップ棋士になったとばかり思っていたのですが、三段リーグに6年半在籍したことや何度もタイトルに挑戦しながら敗北を喫し、それでもくじけずに座右の銘「百折不撓(何度失敗してもくじけないこと)」の精神でとうとう夢を実現したこと。その木村先生の半生を詳しく知ることができました。

2ヶ月前ほどの日経新聞に、作家の大崎さんのエッセイが掲載されました。初の女性棋士を目指す西山朋桂三段に触れており、彼女が奨励会で苦労していることで、とあるトップ棋士を紹介したとありました。それが誰だったのか気になっていましたが、この本で木村先生と知ったのも収穫でした。

読み終える頃にはすっかり木村ファンになっていました。木村王位のタイトル防衛を願って、月曜日(7/13)の第2局をしっかり応援しようと思います。

 

 

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2020年3月26日 (木)

2020年 NHK将棋講座4月号

半年ぶりにNHK将棋講座テキストを購入しました。「B級グルメ戦法」の講座が4月から始まります。講師は阿久津主税(ちから)八段。テキスト4月号では、鬼ごろしや、新鬼ごろし、角頭歩、パックマンなどを取り上げており、これから半年間、どんな戦法がいくつ紹介されるのか、楽しみです。
願わくば、ぷりうすオリジナル(?)の飛び出し角戦法もどこかで取り上げてほしいですね、笑。

道場に通い始めた頃には、パックマンを得意とする子供達が何人かいました。こちらの初手▲7六歩に△4四歩と指して、この歩を取ってみなさいよとニャッと挑発されました。
こんな戦法に負けられるかと、相手の土俵に乗るわけですが、結局、巧妙な手筋に翻弄されてしまい...泣。
「無視して、取らなきゃいいのに」とギャラリーからあきれられたが、取って勝ちたかった。そんな対局からしばらくの間、ネットでパックマンの対策法を必死に探して、研究したのも懐かしい。

ぷりうすは楽しく勝とうをモットーにしているので、この講座をしっかりと頑張り、将棋の幅を広げたいと思います。

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2020年2月19日 (水)

将棋童子/藤沢桓夫

以前、藤沢桓夫(ふじさわ・たけお)の「小説 棋士銘々伝」をご紹介しました。そこに収められていたのは、阪田三吉・木見金治郎・神田辰之助・大野源一・升田幸三・大山康晴という大正から昭和の時代に活躍した棋士たちを主人公とした7編の物語でした。
棋士群像を描くという作家の仕事は、引き続き「将棋童子(講談社)」にまとめられていました。

取り上げられた棋士は5名。大野源一・山中和正・北村秀治郎・桐山清澄・内藤国男です。作家が大阪で暮らしていたということもあり、関西の棋士が他にも多数、脇役として登場します。本作でも大阪の人情や風物が生き生きと描かれており、楽しく読めました。

作品の中から「強い星の子」をご紹介。先頃、順位戦のC級2組からの陥落が決まり、今期をもって順位戦は最後となった、現役最年長棋士の桐山清澄(きりやまきよずみ)九段を主人公とした物語です。小学三年生の桐山少年は、升田九段の出会いが縁となり、将棋の道に進む。そして今とはまったく異なる奨励会時代を過ごします。本作で棋士の卵としての生活ぶりを知ることができました。プロ棋士になっていく桐山少年の成長ぶりを見事に描いています。このような経歴を知ると、改めて桐山先生の応援にも熱が入ります。通算1000勝まであと6勝。達成するよう頑張って欲しいです。

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2020年1月30日 (木)

駒音高く/佐川光晴

駒音高く/佐川光晴(実業之日本社)を読了しました。様々な立場で将棋に関わる人々を取り上げた短編七話を収録。どの作品も読み終えたとき、しばらくその余韻に浸りたくなり、爽やかな気分にさせられます。
 それぞれの作品の主人公は、将棋会館のお掃除のおばさんや将棋教室に通う小学生、研修会を辞めることになった中学生、淡い恋をする奨励会の青年や引退間際の棋士などなど。それぞれの立場は異なるのですが、将棋にかける熱い気持ちは皆、同じです。将棋ファンにおすすめの一冊ですので、ぜひどうぞ。

PS/高杉千明さんによる装画も素敵ですね。

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2019年11月 1日 (金)

世界にひとつだけの宝物

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当ブログにて、「指に染み込ませたい極上手筋/畠山 鎮」を以前ご紹介しましたが、覚えていますか。
2016年7月~12月までの半年にわたり、NHK将棋講座の別冊付録で連載されましたが、これまでの付録とは、一線を画する内容でした。技術のレベルが高いだけではなく、「自分の手」を自信を持って指していくことの大切さを教える指南書ともいえるシリーズでした。「次の一手問題」形式で進みますが、関西奨励会での厳しい指導の逸話がいくつもある先生だけあって、文中にも同じような言葉が並びます。

何度も読む価値があると思い、この六冊を製本しました。「いつか畠山先生にお会いして(この合本に)揮毫と落款を頂いたら、世界にひとつだけの宝物になります」と、2年前に書きましたが、とうとう願いが叶いました。

 

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先日(10/26)の宜野湾将棋道場支部の研究会に、講師として畠山鎮八段が招かれました。揮毫をお願いしますと合本を差し出すと、先生は驚かれました。「自分のは一冊がどこかにいっちゃっているんだよなあ」とのことでした。

いまでもNHKにはこれの在庫問い合わせがあるそうです。付録が単行本化されたことはこれまでありませんが、出版するだけの価値はあると思います。関係者の皆様、「指に染み込ませたい極上手筋」の増補改訂版をぜひご検討下さい。

 

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「自信を持って指してたね」とKantaクン

 

 

2019年10月 3日 (木)

小説 棋士銘々伝/藤沢桓夫

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先日、某オークションにとても興味深い物を見つけました。それは<作家・藤澤桓夫が懇意にしていた升田幸三氏から贈呈された駒と直筆の掛け軸>でした。とても手の出せる値段でなかったので、入札を迷うこともありませんでしたが、眼福にあずかることはできました。

藤沢桓夫(ふじさわ・たけお)という作家は恥ずかしながらこれまで知りませんでした。明治37年生まれで、昭和の大阪を舞台にした大衆小説家として有名な方だったそうです。また大の将棋ファンとして知られ、内藤國雄九段のエッセイ「気になっていたこと 名人の背中」では、「当時、関西の全棋士が先生と呼んでいた」と紹介されており、「当時マスコミに取り上げられることの少なかった将棋界の広報的な役割を果たされるなど、真にありがたい愛棋家であった」と藤沢氏への感謝が綴られています。

200冊以上の著作の中から手始めに「小説 棋士銘々伝/藤沢桓夫(講談社)」を古書店で購入し、さっそく読了しました。阪田三吉・木見金治郎・神田辰之助・大野源一・升田幸三・大山康晴という実在の棋士たちを主人公とした7編の小説が収められています。明治から大正、昭和の時代に登場した棋士の名前は知っていましたが、大阪将棋界の流れとその師弟関係は初めて知りました。

木見門下から登場した、大野源一を筆頭に升田幸三・大山康晴と続く、才能豊かな兄弟弟子とその人間像を描いた作品はどれも読み応えがありました。
特に升田・大山の両巨頭は、後年のイメージがあまりにも強すぎますが、彼らにも幼い頃があり、続く内弟子時代がありました。小説では彼らの青春時代の人となりがいきいきと描かれていました。今の時代からは想像もできない、人の世の移り変わりを知ることも出来ました。機会があればどうぞお読み下さい。


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「将棋の博物誌/越智 信義(三一書房)」に昭和10年に撮影された木見一門の写真が掲載されていましたので、ご参考までに。

2019年6月21日 (金)

小説・くすぶりの龍/馬場信浩

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3月に「くすぶりの龍」をご紹介しましたが、このマンガには原作があります。三一書房から出版された『将棋連盟が甦った日/馬場信浩』にこれは所収されていました。小説「くすぶりの龍」は、著者のデビュー作にあたり、光文社『小説宝石』が主催するエンタテインメント小説賞(1978年)に入選していました。

小説の方でも今では廃れてしまった昭和の賭け将棋が、よく描かれており、こちらのほうも楽しめましたが、どちらも大人向けなので、良い子は読まないでね、笑。

マンガでのクライマックスは、コーヤン先生が棋譜監修された23手詰めで、相手を追いつめる迫力あるシーンなのですが、これは原作にはありませんでした。小説のほうには、マンガで採用されていない大道詰将棋のからくりを明かす場面があり、こちらはこちらで興味深い内容でした。2つを読み比べて、2度おいしく味わえました。

 

さて、日曜日は久しぶりの大会ということで、頑張りたいと思います。自宅から近場の会場なので、終われば、棋友たちと楽しく反省会をやりたいですね。それでは会場でお会いしましょう。

 

 

 

2019年6月 5日 (水)

第3期豊田杯王位戦三番勝負記録集が完成しました

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宜野湾将棋道場では年間を通して順位戦が行われます。県内トップの棋力を誇る方々が参加するA1リーグから10級程度の級位者のC3リーグまで、年間を通じておよそ80名が、7階級に分けた各クラスで昇級を目指してしのぎを削っています(ちなみにぷりうすはB2所属)。

昨年のA1リーグ戦の優勝者の岸本さんが禰保王位へ挑む豊田杯王位戦三番勝負は昨年の11月と12月に道場で開催されましたが、大熱戦の末、禰保王位が2度目の防衛を果たしました。

その熱闘を綴った第3期豊田杯王位戦三番勝負記録集がついに完成しました。今年は予定が遅れてしまい、「本当に出るんですか?」と冷やかされることもありました、笑。

お待たせした分、読み応えあるものに仕上がりました。その内容は、両対局者による自戦記3本。さらに、第2局の大盤解説を務めて頂いた小林裕士七段による観戦記を収録しています。プロの先生が大いに感心した挑戦者の作戦とは? 盤に駒を並べてその妙手を味わって頂きたいと存じます。

2度目の防衛を果たした禰保さんに、子供の頃に通った豊田将棋教室や師匠の豊田敏夫先生の思い出を語って頂きました。昨年ご逝去された豊田顧問への照屋代表による追悼文も掲載しております。宜野湾将棋道場の看板になぜ「豊田塾」の名称がついているのか、ついに明らかになりました。記録集もこれにて3冊目。今回は、沖縄における将棋の歩みも残すことが出来ました。

宜野湾道場では日曜日から発売開始。6月23日に開催されるアマ名人戦沖縄県予選の会場でも販売を予定しております。どうぞよろしくお願い致します。


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2019年3月 9日 (土)

八重山将棋連盟発足40周年記念誌を頂きました

当ブログへ温かいコメントを寄せてくださる、石垣島在住のKondoh様から「八重山将棋連盟発足40周年記念誌~八重山将棋界40年の歩み~」を頂戴しました。本記念誌は、昨年の11月に開催された八重山将棋祭りの会場にて、販売されたものだと伺っております。

 

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1979年に八重山初の将棋同好会からスタートした日本将棋連盟八重山支部ですが、2018年に40周年を迎えました。その節目の年に、このような素晴らしい記録集が発刊されたことにエールを送ります。この一冊(全38ページ)で八重山の将棋界の歩みを知ることができます。当時の新聞記事や写真の収集、関係者への聞き取り調査等、編集にはさぞご苦労されたことでしょう。

最初から立派な将棋会所があったわけではありません。場所を転々としながら、愛好家の熱意や努力と周りの方々の支援の元に、紆余曲折しながら歩んできた足跡が綴られています。決して平坦な道ではありませんでした。

 

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後書きには「この40周年記念誌はある意味一つの棋譜であり実戦集です。積み上げてきた一手一手を糧に、また新たな一手を模索し、次の一手へと繋げていきましょう」とありました。八重山将棋連盟のさらなる発展を祈願いたします。

 

2019年3月 1日 (金)

オキナワグラフ3月号は将棋特集号です

たまたま寄ったコンビニで見つけて、さっそく買いました。今日が発売日でしたか!表紙の凛々しいお嬢さんの7六歩の初手に、これはもう将棋の特集号で間違いないと、笑。

次号で将棋の特集があるよとの噂は聞いていたのですが、これほど大々的に取り上げられているとは予想もしていませんでした。なんと25ページにわたり、沖縄の将棋界の記事が満載されているのです。「18年ぶりのタイトル戦誘致に沸き立った沖縄の将棋界。次なる夢、プロ棋士輩出に向けて尽力する人々を追った」とありました。

 

 

Gurahu

 

読み応えのある記事ばかりです。どうぞ書店またはコンビニでお買い求め下さい。

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