将棋の戦法や技術をまとめます

2023年7月20日 (木)

謎の3手目▲5五角戦法

アイスをかじりながらネット対局していたときのこと。▲7六歩の初手に△8四歩と応じる。藤井名人のように後手番でも2手目は飛車先の歩を突くと決めているのだ。すると、相手はひょいと▲5五角と飛び出した。

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10年将棋をやっているが、この手は初めてだ。さて、ここで△3四歩と角道を開けると▲2二角成△同銀となる(だろう)。ここから角換わりへ進みそうだが、振り飛車にするもしれない。序盤早々に角を交換して角の打ち込みに気を遣う将棋はあまり好きではない。▲5五角は奇をてらった一手に見えたが、なかなかどうして。

ということで△8五歩と伸ばしたら▲7五歩と反発された。▲8八銀か▲8八飛を予想していたので、研究将棋かなと緊張した。10分切れ負けなので考える時間もあまりない。7筋を突破されるのをびびって▲7二銀としたが、ここは▲5四歩か▲4二玉と指すべきだった(と、これを書きながら思う)。

相手は▲7四歩と指したので、△8六歩▲同歩△同飛▲8八銀△5四歩▲7七角△8四飛▲7三歩成△同銀▲8七歩で、いったん局面は落ち着いた。やれやれ。

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▲7四歩の開戦を急がずに▲8八飛と向かい飛車に構えたら、どうだったか(激指先生に問うと、先手がプラスになる変化はなかった)。しかし大会だと目が慣れていない戦法をされると、どこかでポカしてしまいそう。

こういう自由な発想の指し方がまだあることが、新鮮だった。勝負はどうにか勝って、自分へのごほうびにアイスをもう1本。

2018年10月 4日 (木)

浮き浮き飛車(目くらまし)戦法ってのがあるんだ!

先日、初めて出会った戦法にとまどってしまいました。序盤で仕掛けられた小技に焦ってしまい負けたのですが、まだまだ知らないことがあるんだなと(ちょっとだけ)感動しました。

ぷりうすは24では、低級クラス(11級~初心者)で楽しんでいます。ログインするやいなや挑戦されました。こちらの先手で、▲7六歩△8四歩▲6八飛△8五歩▲7七角△8四飛(1図)

 

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この8四飛と浮いた飛車にどういう意図があるのかをよく考えずに、さっと▲4八玉とした。次の△7四飛と寄った手に、歩がただで取られてしまうと気づいてから、焦ってしまいます。(2図)

 

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序盤早々の凡ミスは、悔しい。▲8八銀△7六飛と1歩取られて以降は、こちらから積極的な攻めの手が出しづらいですよね、泣。

相手もここから手をつくりにくかったようですが、こちらの駒組の方針がちぐはぐになって、この勝負は落としてしまいました。ですがこれが大会でなくて助かりました。ぷりうすにとっての24は学び舎なので、ここではいくら負けてもへこたれません。知らなかった奇襲戦法を披露してくれた対局者に感謝するばかり。翌日、息子に対策を教えてもらいました。

△8四飛(1図)には、向かい飛車に振り直す▲8八飛(下図)で十分とのこと。

 

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ここから△7四飛なら、▲8六歩△同歩▲同飛で7六の歩を守りながら飛成りの先手だし、▲8六歩△7六飛▲8五歩なら歩損しない。ここからは8筋の歩を伸ばしていけば指せるとのことでした(まだここからも難しいのですが)。対策を知っていたらなんでもない戦法ですが、大会でいきなり遭遇したら、平常心を欠いて、あたふたしてしまいそうですね。もうこれで引っかからないぞ、笑。

「思い出せないけど、この奇襲戦法にはちゃんと名前があったはず」だと息子が言ってたので、「飛車先の歩、飛車を浮く」をキーワードにして調べたら、これには「浮き浮き飛車(目くらまし)戦法」という立派な名前が付いていることを知りました。「将棋上達の科学」というHPに、この戦法と対策が詳しく紹介されていますので、ご参考までに。

2図に戻って自分なりに研究してみました。あわてて次に指した▲8八銀でしたが、そんなに悪い手ではなかったようです。▲8八銀△7六飛▲6六角△1四歩▲7七銀△7四飛▲8八飛(3図)

 

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と進めば、なんと、ぷりうすの飛び出し角戦法と合流できそうです。ここからは通い慣れた道なので、やれそうです、笑。
まだまだ知らない奇襲戦法があるとは、将棋は奥が深いですね。

PS/先週に引き続き、また台風です。気をつけてお過ごし下さい。

2018年4月15日 (日)

相四間飛車を上手くなりたい

先週から沖縄では清明祭(シーミー)が始まりました。墓前にお供えする重箱料理を用意して家族でご先祖様とお祝いします。本日は降ったり止んだりと天気が悪くて、さっさと引き上げてきましたが、ご先祖様にはちゃんと手を合わせて感謝しました。

さて、今日は技術でも語りましょうか。ぷりうすの将棋は▲7六歩△3四歩なら、すぐ角交換。交換を拒否する△4四歩を指させないようにするのです。一手損ですが、これが師匠と開拓したおれの戦法なのです。たいてい次の局面まではサクサク進みます。

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ここで△8四歩なら、得意な角交換四間飛車の始まりで大歓迎ですが、振り飛車党が相手なら、まずここで時間を使います。どこに飛車を振るのか、悩んでいるに違いないと。
そして指された4二飛は、先に戦法の手の内を明かしたことになるわけだから、こちらが有利になったはずです。ですが結局、いつものように6八飛と振って、(角交換)相四間飛車が始まりました。

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以下は先日の将棋です。

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49手目から(▲7五銀)△5五銀▲6六銀△4四銀が数回繰り返されて、千日手模様になってしまいました。ここから手を変えて、以降は粉砕されたわけですが、わりと上手く指せたように思います。相四間飛車では、先に仕掛けない、相手に合わせてふんわりした手を指すように心掛けよと言われていますが、一貫した攻めの方針が立てきれなくて難しい。

中図に戻り、△4二飛に対しては、「乱戦上等!」の心意気で▲8八飛とダイレクト向かい飛車にしたり、▲8六歩と突いてから8八飛とまわることもやってみたい。ここで△4五角は必然ですが、最新の将棋では、相手に馬をつくらせても勝ちきれるそうなので、おれもきっと勝てるはずです、笑。もっと深く対応策を調べてよう。研究したいテーマが次々と出てきますが、頑張ろうと思います。

2017年11月15日 (水)

堤防を築こう

級位者ですが、今回も技術を語りますのでお付き合い下さい。
先日の24の対局で投了図の美しさに感動しましたので、皆様にもお裾分けできればと思います、笑。

ぷりうすが後手番で、48手目に待望の△5七桂不成と跳ねることが出来た。その金取りに構わずに、相手はこちらの飛車を詰ましにきました。飛車は逃げまどい、やっとターンがまわってきました。さて、この桂馬どちらに成るのがお得なのでしょうか?

 

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(1)右に桂成りすると同銀とされて、桂馬と金の交換に終わってしまう。美濃囲いを崩すことには成功するが、そこからどうする?(2)左に桂成りすると金得だし、数手後に△6八歩成もあるので、向こうの飛車をいじめらることが出来そう。さっきの仕返しをしなくては。
ということで、(2)を選びます。58手目に歩成りも出来て、次は飛車を召し捕るつもりです。

 

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ただ玉形の差は歴然でこちらの分が悪い。飛車を取られたら、あっという間に頓死しそうで怖い。当然、向こうはこちらの飛車を詰ましにくるはずでしょう。うむっ!? 素敵な攻め筋を見つけました。どうかこれに気づきませんようにと願いを込めて、敵玉のコビンに歩をあわせる。

 

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取るわけないよね。次の△5五角打ちの王手飛車でジ・エンドなので、笑。
それからしばらく双方の応酬が続きましたが、敵の猛攻をしのいでやっと勝てました(△2七銀成までの一手詰め)。

 

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終わってみれば、相手の飛車を封じ込んだ6筋の堤防が重要な役割を果たしていたようだ。飛車を詰ます余裕はありませんでしたが、飛車の横ぎきを止めれたことが勝利につながったかなと。ようやく勝てた安堵もあってしばらくその投了図に見とれていました、笑。

2017年10月19日 (木)

突き捨ての歩がやっと分かった

先日の大会で読者の方に「最近は技術を語りませんね」との感想を頂きました。ぷりうすの将棋にこういう話題を求める奇特な方がいらっしゃることに感激して、今回書いてみます。おれ、級位者ですけど、笑。

2017年8月9日 第7期リコー杯女流王座戦本戦トーナメントの室谷由紀女流二段 対 香川愛生女流三段戦の棋譜並べをしていたのですが、これまでよく分からなかった突き捨ての歩の意味がやっと理解できました。

ちなみにリコー杯やマイナビ女子オープンの過去の対局はネット上に公開されています。これら棋譜をマウスで操作しながら、盤と駒も準備して指で辿りつつ学んでいます。

実際の進行から離れて、参考局面へ進めても、パソコンの画面で簡単に元の局面へ戻せるので、便利ですね。また、観戦記者や棋士による大事な場面でのワンポイント解説が載っていますので、とても効率よく勉強できます。「なぜに女流棋士の棋譜並べなのですか?」とのことですが、女流棋戦では、振り飛車の採用率が高いのと相振り戦がとても多いので、効率よく必要な情報が集められます。

 

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さて、52手目の△5五歩。後手玉をしっかり囲ってからいよいよ仕掛けます。ここは当然、▲同歩と取るわけですが、おれならノータイムでこの歩を△同銀と取ってしまい、▲5六歩を打たれ、しぶしぶ△4四銀と引いてしまう。だから、いつまでたっても昇級できない、泣。

 

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後手は、△6五歩と入れます。ここで▲同歩と取ってしまえば、△5五銀▲5六歩に△6六歩と打てます。これよこれ、こういう感覚が必要なんだ。なるほどね(実際は▲同歩と取らずに▲7七桂という後手の読みになかった一手が指されたわけですが)。

歩の突き捨ての感覚は本を読むだけではなかなか身に付かないので、しっかりと棋譜並べをして指に染みこませたいですね。

2017年6月30日 (金)

美しい陣形

久しぶりに師匠から連絡が来た。skypeを起動せよとのお達しだった。大学生活も慣れてきたということで、将棋も本格的に再開したそうだ。
おれのために新しい角交換四間飛車の戦法を考えていたという。24で試してみて、実戦でも使えると自信をもったので、これからレクチャーしてあげるということだった。

 

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これが基本の陣形だ。美しい。ここまでくみ上げるためにはいくつか注意しないといけないそうだ。ここからどう仕掛けるかはもっと難しくてまだ覚えきれない。日曜日の大会には間に合わないようだ、泣。

今日と明日はどう過ごそうか。いつものように終盤の詰みと寄せの手筋の本を繰り返し反復して、大会に備えることにしよう。

2017年2月23日 (木)

T爺さんの袖飛車逆棒銀

石田流を覚えた頃は、序盤のいくつかの変化手順と手筋を学んだだけで、おもしろいように居飛車党(の級位者)に勝てました。それでも、T爺さんだけにはうまくいかなかった。爺さんは将棋の本に書いていない指し方をしてくるのだ。

こちら先手で▲7六歩△3四歩▲7五歩△4四歩▲7八飛とまわったところで、いつも必ず△7二飛とされる。ふだんのT爺さんは居飛車しか指さないくせに、こちらが石田流に組むと一マスだけ飛車を寄るのだ、いやんなっちゃう。

 

 

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先手なのに主導権がとれなくなって困ってしまう。ならと玉を囲いにいったら居玉のまま逆棒銀で攻めて来るのだ! 結局、びびってしまい負けてしまう。

実は、この戦法が「袖飛車逆棒銀」って命名されているのを最近になって知った次第、恥。
ずっとT爺さんのオリジナル戦法だと思っていた。ウィキには「袖飛車の創案者は阪田三吉であるといわれており、飛車の定位置から左に一つ動かした構えを袖に例えた命名」とある。明治~昭和初期に編み出された技なので、T爺さんはよくご存じだったわけだ、納得。(おれも昭和の人間であるが、現代将棋しか知らない、笑)

これの対策も研究課題だが、今は先手石田流は使わなくなっているし、こういうふうに反撃してくるのはT爺さんだけなので、ほかの勉強を優先するほうがいいだろう。しかし将棋は奥が深い。

2016年12月10日 (土)

将棋倶楽部24は楽しい

ぷりうすは将棋クラブ24の低級タブの最下層で戦っており、なかなか上に行けません。レーティングは、200前後をうろちょろしています。

4連敗すると160前後まで下がりますが、これくらいになると対戦相手はもういません。だいぶ格下に負けると、大量にレートを奪われてしまうと皆、知っているから敬遠されるのです。それでもめげずに対戦を申し込みして、連続して3人から断られると泣きたくなります。

でも、そんなときに限ってしばらく待っていると、上位陣(レーティング400前後)が挑んできます。なぜに最下層のぷりうすと対戦するのかと最初は不思議に思っていました。見るに見かねて相手してくれるものだと思っていましたが、実際はそうではないようです。
近頃知りましたが、こういう挑戦っていうのは、連敗したあとに低級者から勝ち星拾って溜飲を下げたり、験直しということのようです。それでも相手をしてもらえるのがうれしくて、レート差250の挑戦を受けます(だから、お前はレートが上がらないんだと言われる)。

さてと今回は、レート差160の格上との対戦。こちら先手もらって飛び出し角戦法で挑みました。駒組みもだいぶ進んで、お互いにやることなくなり、しびれを切らした後手が端攻め仕掛けてきましたが、しのぐことできたかなあ?
ここから反撃だとばかりに、香打ち決めて飛車を詰まします。どうだ、まいったか!

 

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△同銀▲同銀と進んで、差し違えの△6四香打ちされました。

 

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この局面で、もうちょっと考えれば強くなると終わった後に気づくのですが、結局、飛車と角をお互いに取り合いました。もたもたした寄せでありましたが、ほぼ完勝で勝てて、レート23をゲットしました。ごっつぁんです!

向こうはがっくりきただろうなあ、笑。こんな番狂わせもあるので、24は楽しいわけです。

2016年10月14日 (金)

ちょっと見えてきたかな

レコーダーの都合でNHK将棋フォーカスは木曜日の再放送を録画しているのだが、9日の日曜日に放映された「開幕直前!竜王戦七番勝負」の特集は、この前放送された「かりん 実力テスト」に差し替えられていた。それはさておき、一昨日のニュースには驚いた。まさかこんなことが起こるとは想像もしていなかったのだが、最近の将棋ブームに水を差したことには間違い。

連休最後の月曜日に牧志駅前道場へ行った。小2にして三段のSくんと平手で対局させてもらった。「先手おじさんからね、君の初手は角道開けるんだよ」とお願いして火ぶた切った!
3手目に角交換してしばらく駒組みが続く。30数手目で△5四角打ちされて、こちらの手が止まる。困ったなあ、7六歩が取られてしまう。ここからどう方針をたてて指していいのか分からない。

 

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そうだ、ちょっと待ってねと、カバンからカメラを取り出してこの局面図を撮る。ここはどうすべきだったか、あとから将棋ソフトで調べるつもりだ。結局、この勝負、無理攻めを敢行して、その反動が怒濤のように押し寄せてきて、あっという間に負けてしまった。「坊や今日も強いね」と頭ぐりぐりしようとしたら、あっ、逃げられた!

どうも角交換四間飛車は持久戦にされると指しにくくて困る。24でいろいろやってみた。自分の囲いを後回しにして急戦仕掛けたりとか、いっそ居玉のままでという風にと試してみたが、あまりうまくいかない。ここは師匠を呼び出したいところだけど、彼は受験生だからお願いするわけにもいかない。

今日も実践あるのみだとばかりにお昼前に24を開いたら、待ちの人が少ない時間帯だったので自分よりもレート50上の方が対局の申し出を受けてくれた。後手番引いても序盤で角交換を仕掛けた。案の定、持久戦模様に突入した。今日は玉頭戦を試してみようと思ってたので、とにかくしぶとく駒組みをする。中盤でやっと隙が生じたので敵陣に角打ち出来た。90手目に角成りできて必死をかけた。

 

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相手も後がないので、王手ラッシュするしかない。いつもは逃げる途中のどこかで頓死してしまうのだが、今日は冷静に指せたようだ。104手目の6六玉を見て相手投了。

 

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レートだいぶ上がってうれしいな。玉頭戦をもっと上手に指すことができればいけそうだ。スランプ脱出できるかな。すこし光明が見えてきた気がする。

2016年9月 3日 (土)

△4四歩をぱくっと食いたい!

こちら先手で▲7六歩に△4四歩と指された。うぬっ?っと相手の顔を見るとニヤっとされる。奇襲戦法の"パックマン"だ。この出だしだけは知っていた。序盤の変わった手には対策を知らないとヤケドするので、その歩を取らずに3手目を▲6六歩として穏やかに始めようよと相手を軽くいなした。

"4四歩パックマン"というネーミングは秀逸ですね。△4四歩をただやんとぱくっと食べさせるから、パックマンということでしょうか。こちら1980年初頭にゲームセンターでインベーダーゲームやパックマンで遊んだ世代なので、この名前を懐かしく聞きました。

 

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パックマン戦法についてよく知らなかったので、youtubeやニコニコで解説動画をいくつか見ました。△4四歩を取ったはいいが、この後、受け方を知らなかったり間違ったら、一発でやられてしまう。以前なら大会用の一撃必殺技として勉強したはずですが、ただいま師匠に奇襲厳禁!!と命じられているので採用できません。自分からは仕掛けないが、相手の挑発には乗りたいな。「なにこれ、ただやん」と言って、△4四歩をノータイムで取り、こちらから逆にかかってきなさいと挑みたいのです。

さあ勉強しよう。

 

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先手11手目の7七飛打ち、ここまでは基本の定跡です。次に後手は3三桂と跳ねて攻めてきます。ここから▲9六歩△7七角成▲同銀△4五桂と進む(はずですよね!)。

 

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先手はここで▲4八銀または▲5八飛の選択があります。いずれにしても後は力戦形のがっつりよっつに組んだ勝負になるようです。相手の誘いに飛び込んで勝ったら、最高に気分いいだろう。引き続き対策を掘り下げようと思っています。