寄稿

2020年4月28日 (火)

寄稿:級位者向け棋譜並べ・後編

棋譜の再現が早くなったら、少しでも数をこなそうとして、棋譜を並べて解説を読むことに没頭して前のめりになってしまいがちです。ちゃんと盤面全体を見て並べなくなってしまうことがあると思います。

確かに、早く強くなりたいという思いの強い方はそう焦ってしまう気持ちになるのは分かります。しかし、これはもったいないやり方なのです。

先にも書いたように、途中の局面で立ち止まり、盤面全体を見て形勢判断をして、その先の方針を考えてみるトレーニングが大事なのです。そして、しっかり解説を読んで、プロの先生方がなにを考えているのかを学びます。

そういうトレーニングを続けると、大局観を養うことができますし、将棋の筋がよくなると思います。1ヶ月続けると、以前より手がよく見えるようになったと実感するでしょう。

2回にわたって、私の考える棋譜並べ上達法をお伝えしました。この記事を書こうと思ったきっかけは、級位者の子に棋譜並べをするといいよとアドバイスをしたときに、「棋譜並べを勧められることは多いけど、具体的にどうしたらいいか分からないし、難しい」と言われたことでした。

級位者の方には、最初から全てを理解しようとせずに、ゆっくり少しずつ棋譜並べに慣れていってほしいです。棋譜並べは、序盤中盤終盤を鍛えることができ、棋力にあった正しい方法で行うと大きな効果を生むと思います。

本稿が級位者の皆様の将棋上達の助けとなれば幸いです。


ぷりうす:そういえば、このところ棋譜並べをさぼりがちでした(というよりも将棋をしてない!)。辛抱が大事なこの時期にこそ、棋譜並べのような地道なトレーニングをしっかりとやらねばいけませんね。応援さん どうもありがとうございました。

Syougi_shidou

2020年4月26日 (日)

寄稿:級位者向け棋譜並べ・前編

前回に引き続き、寄稿を頂きました。あちゃ~。ぷりうすまったく更新していないんですね、反省。

 

応援さん:

将棋上達法は昔から多くの先人たちによって論じられてきました。
本稿では、上達法の中でもあまり論じられることの少ない(ように感じられる)棋譜並べについて、私なりの考えを綴ります。

有段者である私は、棋譜を並べるとき、その将棋の指された時代における戦法の流行について意識をしつつ、構想の立て方や手筋、終盤の速度計算に注意を払っています。その棋譜に解説があれば、当然、全て目を通し変化手順を追います。

しかし、級位者と有段者では実力差があるため、勉強法は異なります。級位者が上に書いたようなことを行うと、キャパオーバーしてしまいます。自分の実力にあった棋譜並べの「戦略」を立てて、スムーズに、かつストレスをためずに行うほうが良いと思います。

そもそも定跡本をあまり読んでいなかったり、棋譜並べに慣れていないと、いきなり「▲7六歩」「△3四歩」と棋譜が始まっても、「7六ってどこ...」と戸惑い、将棋盤の右端から1、2、3、、、と数えてしまうかもしれませんね。そういう方は、棋譜の解説を読み、理解する余裕はありません。棋譜並べが嫌になって止めてしまうでしょう。

まずは、棋譜を最初から最後まで盤上に再現することだけを目標にしましょう。とりあえず、スラスラ棋譜を並べられるようになるまで、そうやって練習するのが良いでしょう。
そして、慣れてきたら、どこか途中の局面で立ち止まって、形勢判断をしたり、自分だったらどういう方針をたてるか考えてみましょう。さらに余裕が出てきたら、そこで初めて解説を読みましょう。

 

つづく

 

Unnamed

2020年4月11日 (土)

寄稿:行き詰まったら、羽生先生の「上達するヒント」を読もう

「ぷりうすさん、最近書かれませんね」というご心配のメールとともに書評を頂戴しました。私は元気です。どなたか存じ上げませんが、寄稿して頂き、ありがとうございます。

応援さん:

新型コロナの影響で、自宅でネット将棋をすることが増えた方も多いのではないでしょうか。私もそのひとり。思うように勝てないと、悔しくなってもう一局、もう一局と指しているうちに、レートがかなり下がってしまいました。

この悪循環から抜け出すために、何か棋書を読もうと本棚へ。級位者の頃に読んで以来の、羽生先生の「上達するヒント(浅川書房)」がそこにありました。懐かしいなと手に取ってパラパラめくっていると、レベルの高さに驚きました。そこには、有段者の人が当たり前のように考えていることが、きちんと言語化されていたのです。

全13章ぞれぞれにテーマがあり、アマチュアの実戦を例にとって、羽生先生がそれらの棋譜を解説します。一局の流れがあり、それとともに解説があるので、かなり読みやすいです。読み進めていると、私が級位者の頃にきちんとこの本を理解できていたかどうか怪しく感じました。あの頃は、実践例の棋譜を追いかけることに終始していた気がします。

この本で一番大事なところは、実践例の棋譜を追うことではなく、羽生先生の言葉にあります。以下に一例をあげます。

「一口に構想を立てるといっても、状況に応じて、理にかなった構想を立てることが大切です。この対局では、二人とも何かしらの構想を持って指しているように見えますが、その方向性を間違えると状況はよくならないのです」(P38)

このような、将棋を指す上で大事な指針がたくさんあります。何となく指すのではなく、きちんとした方針、大局観に沿って指し手を決めてから指せると、上達するのだと改めて思いました。

私は、この本を再読することで、スランプを脱出できそうなので、またネット将棋を頑張ります。悩める方は、この本を読んでみてくださいね。

Photo_20200411073301

2020年4月 9日 (木)

寄稿:沖縄での思い出(後編)

来沖する前からの唯一の知り合いでしたNeさんとは、練習対局でもたくさん指していただきました。最後の対戦は第27回最強戦決勝でしたが、“これが沖縄での最後の対戦になる”と秘めた思いで戦っていました。2月に今までの健闘を労って最初で最後の慰労会をもち、全国大会で再会することを約束しました。また“SN決戦”をやれたらと思います。

期間の長短はありますが、Ryo君、Ta君、Asa君を自宅に招いて練習対局も行いました。この3人、去年の学生大会(小中高)の3大会で同時に優勝しており、嬉しそうな表情が過去の本ブログに載っていました。一つの効果はあったかなあと思いました。これからの彼らの活躍を内地から応援しています。

 さらにSyo君とも将棋倶楽部24等でネット対局していました。「第27回最強戦に出場しました」に詳しく書いた通り、彼の師匠が知り合いのMプロという偶然は、とても不思議でした。ジュニア銀河で全国制覇をしてこれからまだまだ強くなることと思います。彼が沖縄での最後の対戦相手でした。負かされる前に“転勤による早逃げ”はどうにか出来ました(苦笑)。機会があればまたネット対局しましょう。
 
 そして我らがぷりうすさん。たまに寄稿させていただけて光栄でした。今後も楽しみにしています。来年久留米王位戦が無事開催され代表になった際は、応援よろしくお願いします(笑)。

またここでは挙げられなかった皆様にも、とても感謝しております。いつか遊びに行く機会があれば、よろしくお願いします(完結)。

Sketchdsc03885

ぷりうす:
ひっそりと去ってしまったのですね。このご時世では仕方ありません。貴殿の益々のご活躍を楽しみにしております。いつかどこかでお会いしましょう!

2020年4月 8日 (水)

寄稿:沖縄での思い出(前編)

shimadaさんから届きました。えっ!と驚いています。

 

 

shimadaさん:
 新型コロナの影響から大会もほぼ中止になり、残念な思いをしておられる方も多い時期かと思います。
私事ですが3月中旬で沖縄勤務が終了し、準地元(=妻の実家近傍)の山口県へ転勤しました。お会いした数人の方には伝えましたが、大半の方にご挨拶することができず申し訳ない気持ちです。ただこのような時期なので仕方ありません。

 赴任先の沖縄は縁もゆかりもない土地でしたが、将棋関係者を中心とする温かい方々に多く恵まれ、とても充実した6年半を過ごしました。
 何度か沖縄代表も取らせていただくことができ、特に2回出場した久留米王位戦はとても有意義な大会でした。今年は中止になりましたが、今度は山口県代表となって沖縄の方と再会できるように頑張ります。
支部名人戦西地区大会も一度出場してこちらもベスト4まで行くことができました。しかしこの3大会、どれもベスト4止まりだったとの見方もできるので、一度は決勝戦の舞台まで行きたかった・・と思うこともあります(本音)。一つ勝つことの厳しさと難しさをより肌で感じることができたので、今後の糧にしていきたいと思います。

(先ほど数えましたが)、出場した沖縄県大会の入賞回数は優勝8回、準優勝4回。最初の頃は、入賞すら厳しかったことを思えば御の字の結果です。

印象に残っている対局を2局だけ挙げれば、一つはNeさんとの豊田杯王位戦の第二局。負けはしたけど、3時間に渡る対局は、力を出し切れました。
もう一つは、Ryo君との去年の朝日アマ決勝。二転三転し、入玉模様でもないのに200手かつ1時間半を超える大激闘。これが私の最後の県大会優勝でした。

 

後編では、各個人との思い出を簡単に振り返ります(つづく)
 

 

Sketch-shima

2020年1月22日 (水)

寄稿:今年も琉球銀行杯新春将棋大会に参加させていただきました④

 そして、本戦3回戦。ここからは採譜がありました。後で聞いたところによると、観戦記付きでいつか新聞に載るとのことです。対局中は新聞に載ることは知りませんでしたが、ほかの人が見たときに驚かないような将棋を指さなければと思いつつ、指しました。
いろいろ考えたのですが、飛車の捕獲に失敗し、受けが難しい局面となってしまいました。
記録用紙が2枚目に届こうかというところで投了し、ベスト8で終了となりました。入賞されたみなさんおめでとうございます。

 大会に出る方には、さまざまな目標があるかと思います。準優勝でもとても悔やむ方もいるでしょうし、この大会であれば、4位で悔やむ方もいるかと思います。私は可能であれば賞状がいただけるくらいの順位をとりたいと思っていましたが、当たりや将棋の内容等を考えれば、ベスト8は上出来だったのではないかと思います。

 近日中に観戦に現れるかもしれません。また、参加可能な大会には参加したいと考えています。オリンピックがあるので、飛行機が予約できるか心配ですが、次は7月末でしょうか。この大会には、また来年も現れる予定ですので、よろしくお願いします。

Dsc05154s

おわり


Sさん、どうもありがとうございました。またの来沖をお待ちしております!

2020年1月21日 (火)

寄稿:今年も琉球銀行杯新春将棋大会に参加させていただきました③

Dsc05153s

 会場である2階体育館の舞台上には豪華な一文字幕がかかっており、きれいだと思いました。抽選が終わり、予選トーナメントは3人でした。2勝通過2敗失格です。
 会場内には販売ブースも設けられており、関東の社団戦のようだと思いました。開会式が終わり、迎えた予選1回戦、相手は、何度か練習対局で教えていただいたことはありましたが、大会では初手合いの方でした。通算成績は負け越しています。
本局は、私が陽動振り飛車から振り戻した上、中盤の大事なところで本筋ではない手を指してしまい、逆転されてしまいました。一手の価値を痛感しました。
 予選2回戦は3人ブロックであるため不戦勝で、次の対戦相手が決まるのを待ちました。昨年は一応予選通過していたので、予選は通過したいと思っていました。
 予選3回戦の相手の方は、以前も指したことのある方で、バランス重視の棋風の方でした。

 本戦1回戦の相手は、初めて指す方で、本部町から参加されたとのことでした。私は、そのうちに沖縄北部の離島にも行ってみたいと思っていたので、対局前に離島へのアクセス事情等を教えていただきました。この方は、普段はあまり大会には出られていないとのことでしたが予選を2連勝通過されたとのことで、もしかして今年まだ負けていないのではないかと思い、頑張らなければと思いました。

 本戦2回戦は、予選1回戦と同じ方と当たりました。私が同じ方と1日で2回指したのは、もう10年以上前ですが、当時小学生であったS君(現奨励会三段)と予選で当たり、その後も本戦トーナメント1回戦で当たった時以来です。(余談ですが、私は、予選は勝ち、本戦は負けたので、同じ相手と2局指して帰りました。)
 本戦2回戦は、同じ相手に二度負けてはならない、そう思いつつ指しました。

つづく

2020年1月20日 (月)

寄稿:今年も琉球銀行杯新春将棋大会に参加させていただきました②

 私の棋力でいえることはあまりないのですが、この日の道場の子供さんたちの将棋を見た感想として「見返りなしに駒を取られないようにすること」を考えると、もっと勝ちやすくなるのではないかと思いました。気がつくと取られざるを得ない状況になっているというのであれば、仕方がないと思うのですが、特に序中盤の場合には、駒を損するよりもほかに選択肢があるときが多いと思います。
 ただ、勢いで将棋をすることに価値を見出している方もいると思いますし、価値観はさまざまなので、まずは、道場などでは、楽しく将棋ができるのが一番だと思います。

 この日の道場への来場者の中には、全国大会を控えた方もおり、熱気が伝わってきました。私が過去に参加したことがある大会であることもあり、本当に自分にとってよい結果を出してほしいと思いました。この道場に行くのは2回目でしたが、来場者のマナーがいいことは印象に残っていました。それは今回も変わりませんでした。那覇に戻り、翌日はいよいよ大会です。

Dsc04594s

画像はイメージ

つづく

2020年1月19日 (日)

寄稿:今年も琉球銀行杯新春将棋大会に参加させていただきました①

遠方からいらっしゃったSさんに寄稿をお願いしました。今では、すっかり常連さんになりましたね。全4回シリーズで掲載します。

Sさん:

 参加費無料で賞品がいただけるこの大会も第10回とのことで、スポンサーである琉球銀行さんには、本当にありがたいと思い感謝します。
 この大会は、1月の3連休に行われ、連休の沖縄行き飛行機は非常に混みあうので、飛行機の予約は、11月中に確保していました。今年の会場は、昨年とは違い、ゆいレール壷川駅近くのりゅうぎん健保会館です。以前散歩した際に、建物を見つけていましたので、迷うことはないと思いましたが、不測の事態に備えてホテルは会場から徒歩3分くらいのところを予約しました。近くにはスーパーもあり、便利なところです。

2_20200119120001

大会参加の準備はできました。問題は棋力だけです。

 私の今年度の個人戦成績は、この大会前日の時点でまだ負け越していたので、この大会前には、普段の練習将棋よりも緊張感のある練習対局がしたいと思っていました。
そのため、前日は、宜野湾にある将棋道場に行くことにしました。ここに行こうと思ったのは、土曜トーナメントが行われていたこと、そのトーナメントが大会と同じ10分30秒のルールで進行することからでした。私が普段参加している大会では、短くても20分30秒の持ち時間が多く、10分30秒で指す機会は貴重でした。段級については、迷いましたが、免状のとおりの三段で申請しました。駒落ちの将棋を指すのは久しぶりでした。角落ち、飛車落ちも指しました。

つづく

2019年12月29日 (日)

寄稿:第27回最強戦に出場しました・後編

 Syo君の師匠であるMプロとはSyo君が生まれる頃くらいからの知り合いで、私の結婚式二次会に参加いただく等、大変お世話になってきました。実は沖縄グラフ誌3月号で、Syo君の師匠であることを初めて知りました(笑)。

 Mプロからよく言われるのは「緩めてあげてください」は全くなく、「弟子の高い壁として本気で立ちはだかってください」と。師匠からのお墨付きを頂いている(?)以上、「手心を加える」は論外としても「受けて立つ」というのも間違いで、同世代と戦うのと同様「対等な勝負」として戦った上で勝たないといけないと常々思っています(もちろん、他の若手に対しても同じ気持ちですよ)。

 先手番を引いた私は迷うことなく角換わりに誘導。いつもは先攻してくるSyo君でしたが、今回は右玉の傾向で対抗してきました。私の得意戦法を堂々と受けてくれたことに、とても感動しました。私に不急な一手があり中盤自信のない変化もありましたが、なんとか勝って決勝戦に進出しました。

 決勝戦はNeさんと。これが20回目の“SN決戦”です。沖縄での初対局から4年間でよく対戦したものですね。残念ながら負けて二年連続の準優勝となりましたが、新春将棋大会で始まり最強戦で終わる、いい一年だったと思います。

表彰式後に記念撮影?をしましたが、Syo君は優勝を逃した悔しさよりも一生懸命戦った満足感が表情から見て取れました(違っていたらごめんね、笑)

 

Sketch_20191229064301

 

 久留米王位戦の時宮崎のSi君に(夏に奨励会合格!)二年連続準優勝はすごいね、と言いましたが、大会規模が違うとはいえ自分が連続準優勝した感想はやはり「どちらかで優勝したかったなあ~」という思いにはなりますね(本音)。

今年一年間、大変お世話になりました。次は新春将棋大会でお会いしましょう。

おわり

*ぷりうすの追記

SimadaさんとNeさんの対決はお二人ともいつもしっかり時間を使うのが印象的です。
沖縄の大会は、持ち時間10分・秒読み30秒の早指しです。お二人は、秒読み30秒ギリギリまでしっかりと考えてから一手を指すので、終局まで時間かかります(すべての手に30秒しっかり考えて指せる人はなかなかいません)。さらに、感想戦も長い。今回は、審判に声をかけられるまで、時間を忘れて感想戦をしていました。お互いをライバルだと認め合っているのが伝わってきます。来年のSN対決も楽しみです。

 

 

より以前の記事一覧