漫画

2022年10月15日 (土)

「龍と苺」に惹かれるばかり

一昨日は巻き返しを期待したが、史上初の「女性棋士」誕生はならなかった。やむなく投了を告げる場面で、ぷりうすの目は潤んでいた。里見さんに続く女性を期待する。

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マンガの世界では、苺ちゃんの快進撃が止まらない。第9巻では、竜王戦の本戦トーナメント2回戦の様子が描かれる。勢いのある若手強豪に苺ちゃんが取った作戦とは?お笑い多めの本巻は、もう3回読んだ。

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この「龍と苺」、もし男子中学生を主人公にしてスタートしていたら、どれほど注目されただろうか。いくらプロ棋士相手に勝ち進んだとしても、藤井聡太という天才が大活躍している現実の世界と比べて、インパクトはいささか弱い。

意表を突いて女子中学生を主人公に据えたと思うが、苺ちゃんが竜王戦を勝ち進み、棋士になるかというと、そうならないように思う。結末がどうなるかネットでは話題になっているが、彼女の性格やこれまでの言動と行動からして、意外とあっさり将棋を止めそうな気がする(作者は読者の予想を超えて物語を展開してきたので、エンディングの予想ははずれるだろうなあ)。とにかく、目が離せないマンガであることは間違いない。

2022年7月23日 (土)

花四段といっしょ/増村十七

新しい将棋マンガコミックが6月に出ていたんだ! 島井女流棋士のTweetでそれを知って、あわてて購入した次第(誰も教えてくれないんだから)。販売開始からたった1ヶ月で2刷目なので、人気のようだ。

「花四段といっしょ/増村十七(朝日新聞出版)」の第1巻を読了。どこで掲載しているか調べたが、紙媒体ではなくネットで連載しているらしい。

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主人公の花すみれ四段は、C級2組に所属する若手プロ棋士。性格は温厚で、対局中に脳内にうずまく雑念といつも格闘している。これが彼の特徴だが弱点でもあるので、タイトルを狙える力はなさそう。また、将棋以外でどう稼ぐかにも悩んでいる様子。

そんなちょっと変わった花先生をメインに将棋界という特殊な境遇に生きる仲間達をコミカルに描いた本作だが、本格将棋マンガかと訊かれると、う~ん、悩ましい。いちおう「将棋の棋士のお話です」と帯にはある、笑(先崎先生のエッセイに近い感じかな)。
監修に複数の棋士の名前があり、取材したエピソードを膨らませて描いているようだ。

我々素人から見ると、プロ棋士は集中力の塊のような存在だと思うが、実際のところ、プロの先生方も対局中はいろんな雑念と戦っているのかなと想像してみるのも楽しい。そういうゆるいストーリーばかりで、読んでほのぼのさせられる。絵も達者だ。将棋ファンにお勧めのマンガなので、ぜひどうぞ。

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2022年6月25日 (土)

「龍と苺」はどこまでいくか!


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待望の第八巻(小学館)を購入した。苺ちゃんは竜王戦6組を勝ち抜き、いよいよ決勝トーナメントの本戦へ参戦。主人公の敵役を務めるプロ棋士の皆さんも役者揃いだ。ただこのマンガに引き込まれるばかり。

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日経新聞の「私の履歴書」に漫画家の里中満智子先生が登場した。少女誌は読者の年代別にたくさんの種類があり、雑誌ごとにマンガを描き分けていたとのこと。
少年誌の編集者に、男性の世代別の好みの違いを尋ねたところ、「男子に受けるシーンは全世代で同じです。それは闘って勝つ場面です」と答えが返ってきたそうだ。

これを読んで納得。いい年になってもこの少年マンガに夢中になれるのは、強敵や難敵を打ち破るシーンに、男のロマンが持てるからだと分かった、笑。

今週号で連載100回。これだけ人気爆発なら完走するだろう。このところ将棋マンガは途中で連載打ち切りが続いていたが、「龍と苺」にそんな心配はいらない。

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連載100回記念の扉絵のポスターが(あれば)ほしいなあ。

2022年4月27日 (水)

「龍と苺」を早く読みたくて!

アマチュア枠から竜王戦6組に出場した苺ちゃん。敵意むき出しの棋士を相手に真っ向から闘う。

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重苦しいシーンの連続かと思いきや、新学期を迎えて彼女は将棋部の部長に就任。新入部員を引き連れて中学生大会へ出場する。待望の第七巻(小学館)は棋戦の合間の学園ストーリーも含まれる。

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テンポが良いだけでなく意表を突く展開で進むので、コミックになるまで待てない。水曜の朝はネット配信の「龍と苺」の最新話を読むのが日課だが、週刊誌より一週遅れなのは無料なので仕方ない。

現在、進行中の対局はどう決着がつくのか気になり、今日は仕事が手に付かない。だいぶ遠くのコンビニへ向かう。なるほど、こういうふうに終局したのかと感動する、笑。

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2022年1月27日 (木)

「龍と苺」が楽しみ!

2日に道場で行われた新春将棋大会の賞品に「龍と苺」のコミックがあった。席主、分かっているじゃん!


待望の第六巻(小学館)は年末に刊行された。もう3回も読んだが、その都度、何かしらの発見がある(苺ちゃんのTシャツのプリントが、15だ!)。

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将棋を覚えたての女子中学生がアマ竜王になったのも驚きだが、そんな彼女がいよいよ竜王戦(6組)のランキング戦へ出場する。第六巻では、プロ棋戦のデビューを前に、奨励会を目指す仲間達と将棋漬けの毎日を過ごす姿が描かれる。竜王直々にプロの世界へ来いと誘われるが、苺ちゃんの目標はケンカに勝つことなのだ!

強くなるために将棋に打ち込む苺ちゃんをメインにしながら、将棋に生きる者達の人間ドラマとしてもおもしろく描かれているので、このマンガに引き込まれるばかり。

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2021年10月30日 (土)

「龍と苺」は止まらない

毎週水曜日は、朝刊より先にネット配信の「龍と苺」の最新話を読みます。こちらの予想を超えて展開するストーリーに作者の力量を感じます。

待望の第五巻(小学館)が出ました。アマ竜王戦を終えた苺ちゃんが奨励会試験を受けるのかどうか皆の関心を集めますが、彼女が目指すところは最初からぶれません。

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本巻では、名人戦の様子やプロ棋士との出稽古、仲間達の奨励会受験の様子が描かれます。将棋界のトピックを入れつつ、苺ちゃんがこれからどう将棋に関わっていくのかと、今後の展開がますます楽しみです。ほんとにおすすめの将棋マンガですので、まだの方はぜひどうぞお読み下さい。


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2021年6月27日 (日)

「龍と苺」はいいよね

去年に続き、今年もアマ竜王戦の全国大会(と地方予選)は中止になりましたが、漫画の世界では熱い戦いが繰り広げられています。我らが苺ちゃんも並み居る強豪を倒して快進撃を続けています。

待望の第四巻が出ました。毎週水曜日にネットで最新話を読んでいますが、ざっと目を通す程度にしています。「龍と苺」(柳本光晴/小学館)は紙の本でじっくり味わいたい、お気に入りの漫画ですから。

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奨励会を目指す名人の娘や苺ちゃんに負けないほど強い地方の女子高校生、プロ編入試験目前のアマ王将など、魅力ある登場人物が続々登場しました。また、現実にはありえない苺ちゃんと竜王とのやりとりなど、作者の気合いとパワーでさもありなんと思わせてしまいます。「消える魔球」に代表されるような昭和の少年野球漫画にも似た、馬鹿馬鹿しいと言ってしまえばそれまでですが、それ以上にエンターテインメントとして楽しめることができるのです。早く続きを読みたい本格(?)将棋漫画なので、ぜひどうぞ。

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2021年3月31日 (水)

龍と苺はとてもおもしろい

昨年5月に週刊少年サンデーで連載が始まった「龍と苺」ですが、苺ちゃんの快進撃は止まりません。ローカル大会での優勝に続き、アマ竜王戦の県大会へ挑みます。

このたび、待望の第三巻(小学館)が発売されました。ストーリーのテンポの良さや登場人物のキャラ立ち、苺ちゃんの生意気な物言いなど、すべてに魅了されています。とてもおもしろい将棋漫画が出てきたなあと感動しています。

コミック化されるまで雑誌やネットで続きを追うことを我慢してたのですが、今では単行本になるまで待ちきれず、ネット配信の「サンデ-うぇぶり」を利用しています。水曜の朝はコーヒーを沸かして、この漫画を読んで一日が始まります。口からコーヒーを吹き出してしまいそうになるシーンが必ずあるのも良いですね。

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井鶴八段に取られた財布はいつ取り戻せるか、またタイトルの「龍と苺」の”龍”とは何かなど、今後のストーリーの展開に目が離せません。皆さんに全力でおすすめしたい漫画です。

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2021年2月13日 (土)

外道棋記(1)-真剣師 小池重明-

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賭け将棋を生業とする真剣師として生涯を送った小池重明。彼を描いたコミック(原作:団鬼六・漫画:柳葉あきら/集英社)を読んだ。酒とギャンブルに溺れ、女にだらしない。しかし、将棋に関してはプロを相手にしてもめっぽう強い。他人事だと割り切れば、このような破滅型の生き様にも引きつけられるものがある。

前半のハイライトは、1982年に将棋ジャーナル社の企画で実現した森雞二八段(当時)との指し込み三番勝負(角落ち、香落ち、平手)。この勝負を描いた場面は迫力満点。小池の3連勝に終わったが、その直後に森は棋聖のタイトルを獲得するので、いかに当時の小池が強かったがわかるエピソードだ。

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後半は、団鬼六の原作にない創作ストーリー。将棋がめっぽう弱い相棒も登場し、人情劇が始まるかと思いきや、雑誌連載が打ち切られたもようで1巻で終わり、至極残念。


◎「真剣師 小池重明/団鬼六」もあわせてどうぞ。

2021年1月 9日 (土)

雪と花/門脇由

ビッグコミックオリジナル増刊号は2ヶ月ごとに発刊されるマンガ雑誌だが、書店でもなかなか見かけない。また、アマゾンでさえ新刊は電子書籍のみの販売で、どうやら少部数刷りのよう。長年これを定期購読しているのだが、今から10年前くらいに読んだと記憶する、ある将棋マンガがずっと心に引っかかっていた。

その頃、まだ将棋に関心がなかったので、お気に入りの記事だけ切り取って、雑誌は処分していた。このブログを始めて将棋マンガにも関心を持つようになって、あの連載をふと思い出した。とある奨励会員の日常を、ガリ版刷りのような技法で描いた黒っぽい絵が印象に残っているだけで、そのタイトルや漫画家の名前は覚えていなかった。いくつものキーワードを組み換えて検索したところ、「雪と花/門脇由」という作品がとうとうヒット。

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これは、2009年に第64回小学館新人コミック大賞の入賞作(青年部入選)。ぷりうすが読んでいたものは、この受賞がきっかけとなり、同じタイトル名で後日談を描いた連載(10回にわたり雑誌掲載)だと分かった。
夭折した妹の分まで将棋を指す兄の奨励会の物語。懐かしい昭和の匂いのする内容だが、今日のような寒い日にふさわしいかと思い、ご紹介。

残念ながら、一連の作品は単行本化されておらず、これらを読むには当時の雑誌を求めるしかない。2年かけてやっと3冊集めたが、10年も前の雑誌なので、収集は行き詰まっている(小学館さま、ぜひ単行本化して下さい)。


雪と花/門脇由